書籍・雑誌/話題の本関連情報

万城目学『プリンセス・トヨトミ』の新境地

大学生がオニを操って戦うデビュー作『鴨川ホルモー』で注目を集め、しゃべる鹿が登場する『鹿男あをによし』がドラマ化されて大ヒット。万城目学の最新作『プリンセス・トヨトミ』をご紹介します。

石井 千湖

執筆者:石井 千湖

話題の本ガイド

大学生がオニを操って戦う奇想天外なデビュー作『鴨川ホルモー』で注目を集め、しゃべる鹿が登場する『鹿男あをによし』がドラマ化されて大ヒット。万城目学の最新作『プリンセス・トヨトミ』をご紹介します。

京都、奈良に続いて、今回は大阪が舞台

プリンセス・トヨトミ
<DATA>タイトル:『プリンセス・トヨトミ』出版社:文藝春秋著者:万城目学価格:1,650円(税込)
物語は、5月下旬、大阪に会計検査院(国および法律で定められた機関の財政を監督する機関)の調査官が実地検査にやってくるところから始まる。卓抜した調査能力と追及の厳しさで名をはせる“鬼の松平”、うっかり者だが無意識に重大な問題を発見してしまう“ミラクル鳥居”、エリート中のエリートでモデルのような長身美女、旭・ゲーンズブール。彼らは大阪府庁を起点に、鮮やかな手さばきで、税金の無駄遣いを指摘していく。

ところが、今回の調査対象の中で、1か所だけ、調査に手間取った機関があった。社団法人OJO。いったい、何を目的とし、どんな活動をしている組織なのか。その存在は謎につつまれていた。

一方、大阪城にほど近い空堀商店街に住む中学二年生・真田大輔には、幼い頃から“女の子になりたい”という願いがあった。大輔はその願いを実現させることを決意し、幼なじみの橋場茶子(はしばちゃこ)と一緒にセーラー服で学校に行く。周囲の奇異の目、教師の叱責、上級生の攻撃。それ以来、大輔は過酷な毎日を送ることになる。茶子は大輔を守ろうとするが……。

会計検査院の調査員の来訪と、地元の中学生の戦いが、5月末日に大阪という大都市の機能を全停止させる。一見関係なさそうな2つの出来事がどこでリンクするのか。大阪に隠された秘密とは? というのが本書の大きな読みどころだ。

『鴨川ホルモー』『鹿男あをによし』との大きな違いとは?

  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます