蒲郡風太郎が“銭ゲバ”になったわけ
<DATA>タイトル:『銭ゲバ 上巻』出版社:幻冬舎著者:ジョージ秋山価格:720円(税込) |
金! 金! 金! 金! いったい金とはなにか? 金はある時にはどんな欲望も満たしてくれる。ある時はひとをどれいにし またある時はひとの心を狂わし滅亡の悪をうむ!
物語は、主人公の蒲郡風太郎が、死体を埋めた後、濡れた地面を這いずりながら金を拾い集めるシーンから始まる。彼が最初に殺したのは、にいちゃんと呼んで慕っていた、親切でやさしい隣人だった。
治療費が払えなかったために母が病死。金さえあれば……という思いから盗みを働いた現場を見られ、もみあううちに殺してしまったのだ。大好きな人の命を自ら奪ったことで、風太郎はあらためて“銭のためならなんでもする”と決意。次々に罪を重ねながら、大企業の経営者に成り上がっていく。
というストーリーは、なんとなく知っている人も多いと思う。が、実際に読んでみると、いろんな意味で圧倒される。
次ページでは『銭ゲバ』のここがすごい!というところをピックアップ。