直木賞受賞作家の新作×3(2ページ目)

三浦しをん『光』

＜DATA＞タイトル：『光』出版社：集英社著者：三浦しをん価格：1,575円（税込）

海へ至る道は白く輝き、森には椿が咲き乱れるうつくしい島が、ある日、大災害に見舞われた。生存者は中学生の信之と幼なじみの美花、信之の遠縁にあたる小学生・輔、そして3人のろくでもない大人だけ――。『光』は、そんな極限状況から始まる。

災害時の混乱のなか暴力をふるわれた美花、美花を救うためある行動をとる信之、父親から虐待される輔。彼らの20年後を追っていく。3人の〈求めたものに求められず、求めてもいないものに求められる〉関係が切ない。

また、過去と再会した信之を迎える結末にも衝撃を受けた。どんな人間のなかにもある「暴力」という暗闇を描いた渾身の長編。

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