宮部みゆき『おそろし 三島屋変調百物語事始』
<DATA>タイトル:『おそろし 三島屋変調百物語事始』出版社:角川書店著者:宮部みゆき価格:1,785円(税込) |
一奉公人として忙しく働くことで、深い悲しみをまぎらわせようとするおちか。そんなある日、来客の予定があったにも関わらず、伊兵衛夫妻は急に外出をしなければならなくなった。伊兵衛がいつも碁敵を迎える「黒白の間」で、おちかが代わりに応対することに。ところが客は庭に咲く曼珠沙華を見て倒れてしまう。曼珠沙華が怖いというのだ。いったい、なぜ? おちかは、その客の身の上話を聞くことになる……。
東野圭吾の『手紙』を彷彿とさせる兄弟の物語に、怪談の要素が加わった第一話「曼珠沙華」。客が心の重荷になっている出来事から解き放たれたと知り、伊兵衛はおちかにもいずれそうなってほしいと願う。
そこで、伊兵衛が考えたある方法とは?