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ライラの冒険『黄金の羅針盤』にハマる!

「ハリポタ」よりも大人向き! 3/1にいよいよ映画も公開される超絶面白ファンタジー小説「ライラの冒険」シリーズ『黄金の羅針盤』の読みどころを紹介。

石井 千湖

執筆者:石井 千湖

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カーネギー賞と、ガーディアン賞。イギリスで最も権威のある児童文学賞をダブル受賞したファンタジー小説がある。「ライラの冒険」シリーズだ。壮大なスケール、先がまったく読めないストーリー展開、清濁併せ呑むキャラクター、思わずほしくなるようなガジェット、ミルトンの『失楽園』をベースにした深いテーマなどなど。同じイギリス産のベストセラーファンタジー「ハリー・ポッター」シリーズよりも内容は大人向き! シリーズ全3作のなかで、まずは3/1(土)にいよいよ映画も公開される『黄金の羅針盤』の読みどころを紹介。

シリーズ第1弾『黄金の羅針盤』消えた友達を追うライラ

ライラの冒険I 黄金の羅針盤(上)
<DATA>タイトル:『ライラの冒険I 黄金の羅針盤(上)』出版社:新潮社著者:フィリップ・プルマン価格:620円(税込)
舞台は、誰もが生まれてから死ぬまで動物の姿をしたダイモン(守護精霊)と一心同体で行動する、パラレルワールドのイギリス。両親を事故で亡くし、オックスフォード大学のジョーダン寮で学者たちに囲まれて暮らす少女ライラの周囲で、子どもたちが消える事件が頻発する。

ライラの親友ロジャーもある日連れ去られてしまった。子どもたちをさらった組織は、北極で人体実験を行なっているらしい。ライラのおじで北極で何かを発見したアスリエル卿もまた、消息を絶っていた。ライラは船上生活をおくるジプシャンと一緒に、世界に6つしかない黄金の羅針盤を持って北極へ向かうが――。

良い子じゃない主人公、曲者の大人たち

まずライラのキャラクターがいい。かなりの問題児なのだ。身なりにはかまわない、ひどいいたずらをする、息をするようにうそをつく。だけど自由奔放で、何事にも物怖じせず、生命力にあふれている。

ライラと関わりの深い大人も曲者だ。アスリエル卿はカリスマ性と行動力を兼ね備えた偉丈夫だが、唯一の身内にもかかわらずライラを放ったらかしで、会ってもやさしい言葉ひとつかけない。ライラを引き取ろうとする美女コールター夫人は、おそろしく頭がよくて邪悪。ところが世界を滅ぼしかねない野望を持つ2人に、ライラも読者も惹かれてしまう。

次ページでは、大人気キャラクター、イオレクを紹介!

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