『その後のツレがうつになりまして。』うつとの付き合い方を学ぶ
<DATA>タイトル:『その後のツレがうつになりまして。』出版社:幻冬舎著者:細川貂々価格:1,155円(税込) |
そして、3年の闘病生活を経て、ツレが元気になってからのことが描かれている。一般の闘病記の場合、ある程度良くなると終わることが多いが、実はうつ病は症状が快方に向かっているときが一番危険といわれているのだ。
せっかく良くなっていたのに、また悪化すると、そのときの落ち込み方は半端でなくつらいらしい。今までできていたことができなくなってしまい、あせってしまう。どうしたらいいのか? 貂々さんが達した結論は、
できないことはあきらめちゃえば?
それから2人はひとつひとつ、これはあきらめようと整理していくのだが、不思議と絶望感はない。必ず「でも○○なのがわかってよかった」という言葉で締めくくられているからだ。何事もとらえ方次第だなと思わされた。
うつ病になる前のスーパーサラリーマンには戻れなかったツレ。でも、別の生き方を最後には見出す。もちろん、うつ病の治り方はケースバイケースで、本書の中でも貂々さんは「ウチの場合こうなった」という形で紹介している。どの家族も貂々さんたちのやり方でうまくいくわけではないだろう。それでも、一組の夫婦のたどった軌跡に勇気を与えられる読者は多いに違いない。
【関連サイト】
・「とかげのしっぽ」…細川貂々(ほそかわ てんてん)のHP。仕事情報、日記のほか、楽しい趣味のページも。
【他にもこんな本はいかが?】
・「最新ガイドおすすめ書籍」…ガイドが最近読んだ本の感想を紹介しています。