7月 河童の国に迷いこむ夏
<DATA>タイトル:『ちくま日本文学002 芥川龍之介』出版社:筑摩書房著者:芥川龍之介:924円(税込) |
晩年の代表作「河童」はある精神病院の入院患者がだれにでもしゃべる話という設定で書かれている。夏の穂高山で霧に巻かれ、河童の国に迷いこんだ「僕」。そこには銀座通りと変わらない街並みがあり、河童は服こそ着ていないものの、人間に似た生活を送っていた。
人間が真面目に思うものをおかしがり、人間がおかしがることを真面目に思う。出産の直前に、赤ん坊に生まれたいかどうかを訊く。河童の文化はユーモラスだが、死の影が濃厚に感じられる一編。
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タイトル:『ちくま日本文学002 芥川龍之介』
出版社:筑摩書房
著者:芥川龍之介
価格:924円(税込)
芥川が亡くなる直前まで歴史に残る文学論争を繰り広げた作家は? 答えは次のページに。