11月 ユニークな手紙文例集
<DATA>タイトル:『三島由紀夫レター教室』出版社:筑摩書房著者:三島由紀夫価格:546円(税込) |
『三島由紀夫レター教室』は5人の登場人物が書いた手紙で構成されている小説。ひとつひとつが手紙の文例集になっているところが面白い。
三島は冒頭の「登場人物紹介」で電話と比べた場合の手紙の効用を
このキチンと封をされた紙の密室の中では、人々は、ゆっくりあぐらをかいて語ることもできれば、寝そべって語ることもでき、相手かまわず、五時間の独白をきかせることもできるのです。
といっている。文例集といっても「心中を誘う手紙」「真相をあばく探偵の手紙」「閑(ひま)な人の閑な手紙」などテーマがヘンテコなので、実用的ではないかもしれない。が、お互いに対するツッコミが鋭く、表現が知的。悪口もどこか品がある。
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タイトル:『三島由紀夫レター教室』
出版社:筑摩書房
著者:三島由紀夫
価格:546円(税込)
三島の師で日本で初めてノーベル文学賞を受賞した作家は? 答えは次のページに。