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2008年、品格を読書で育てる12ヶ月

現代のベストセラー作家の作品から、不朽の名作まで。小説で季節感を味わい、1年たって気がついたら品格も育っている(といいなー)という欲ばりな読書計画です!

石井 千湖

執筆者:石井 千湖

話題の本ガイド

『国家の品格』と『女性の品格』。ともに大ベストセラーになった本には共通点がある。

・日本文化の美点を見直す
・古典や名作を読む


以上を品格を身につける方法としてすすめていること。2008年は現代のベストセラーから近代の名作まで、四季折々の風景や日本語の豊かさが楽しめる本を読んでみよう。

1年たって気がついたら品格のある人になっている(といいなー)という欲張りな読書計画!

1月 江戸の四季を彩る「初もの」

画像(C)新潮社
<DATA>タイトル:『初ものがたり』出版社:新潮社著者:宮部みゆき価格:500円(税込)
近年は異常気象だったり、輸入の食材が簡単に手に入ることもあって、意識しないと何が旬なのかわからない。

で、おすすめなのが、今年デビュー20周年を迎えた人気作家・宮部みゆきの『初ものがたり』だ。舞台は江戸深川。岡っ引きの茂七親分が界隈で起こる何事件に挑む。解決のヒントになるのは、鰹、白魚、柿など旬の食べもの。特に行きつけの稲荷寿司屋が出す料理のおいしそうなことといったら、食欲を刺激されること間違いなし。

ちなみに冒頭に収録されている「お勢殺し」は1月の話。小さな蕪(かぶ)がまるごと入った味噌仕立ての蕪汁を思わず作ってみたくなる。

<DATA>
タイトル:『初ものがたり』
出版社:新潮社
著者:宮部みゆき
価格:500円(税込)

デビュー前に宮部みゆきの『火車』で小説の構成を学び、『初ものがたり』と同じく深川が舞台の連作時代小説を2007年に出版した作家は? 答えは次のページに。

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