麒麟田村の“貧乏自叙伝”が発売からわずか2か月で100万部突破! 数多ある芸人本の中でなぜこの本が圧倒的に売れているのか考えてみました。

なぜ貧乏体験談はウケるのか?

ホームレス中学生
突然の家族解散、公園の遊具での生活、大好きだった母の死……驚きのエピソード満載の自伝。<DATA>タイトル:『ホームレス中学生』出版社:ワニブックス著者:田村裕価格:1,365円(税込)
田村裕だけではありません。お笑い芸人は、なぜ自分の貧乏体験談をネタにするのでしょう? それは他人の身の上話は、悲惨であればあるほど、しかも明るく語られるとよりいっそう、強烈なエンターテインメントになるからです。私自身、お笑い芸人の貧乏ネタは大好きです。だけど、それを楽しむ自分を観察してみると……

・家をなくしたり、食べ物に困ったり。自分が知らない貧しさをワンダーワールドとして好奇心を持って見ている

・ネタとしておもしろおかしく語られることで、安全圏から見ていることに対する罪悪感が薄れている

・過酷な人生を送ってきた人が、テレビに出るほど有名になっていることに、マイナスがプラスに転化したようなカタルシスを感じている


だから楽しんでいる気がします。そんな自分は下品だと思います。でも、下品な楽しみは蜜の味。それを客や読者に自覚させずに与えるのが、語りの芸。『ホームレス中学生』には、その語りの芸を感じました。

数多ある芸人本の中でなぜこの本が圧倒的に売れているのか?