※月間ベストセラーのデータはこちらを参照しました。
煽り上手は自己啓発系ベストセラーの条件古市幸雄『「1日30分」を続けなさい!人生勝利の勉強法55』
TOEIC980点&MBAホルダーの著者による、勝ち組クラスに編入するための勉強法 |
あなたの会社に使えない上司っていませんか。
朝、定時に出社して、ほとんど何も生産的なことをせず、会社に1円の利益ももたらすどころか、逆にマイナス4万円くらいの損失を出している、会社のお荷物になっているおじさん連中のことです。失礼な言い方かもしれませんが、彼らには使えないという言葉がぴったりです。
あなたも彼らのようになりたいですか?
問いかけ+断定+問いかけの形式で、読者は使えない人じゃありませんよね? とプライドをくすぐりつつ、でもこのままだと使えない人になっちゃいますよとほのめかす。何か自分には足りないものがあると思っている人には、非常に効く煽り方だ。
そして著者は、数字を多用し、自分の論に説得力を持たせようとしている。例えば「一流大学を卒業後ほとんど勉強しないタイプ」と「三流大学を卒業後、毎日30分コツコツ勉強してきたタイプ」では勉強の成果が147違うという公式をあみ出したり、1日2時間テレビを見ると1年で約43日間無駄に過ごしていることになると計算したり。ビジネスパーソンは「利益」という数字に追われている人が多い。数字で畳みかけられると切迫感はより増していく。
また、ガイドが本書を読んで感心したのは、著者がランチェスターの法則や、ナポレオン・ヒルの成功哲学など、他の自己啓発書の熱心な読者であることだ。それからベストセラーもよく読んでいる。『海馬』が話題になった池谷裕二の本、『病気にならない生き方』など。自己啓発系ベストセラーの読者が著者になり、また自己啓発系ベストセラーを産んでいく連鎖の仕組みを見たような気がしたのだ。
<DATA>
タイトル:『「1日30分」を続けなさい!人生勝利の勉強法55』
出版社:マガジンハウス
著者:古市幸雄
価格:1,365円(税込)