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4月のヒット本『ぼく、オタリーマン。』(2ページ目)

前月のベストセラーの中から1冊選び、あとづけでゴタクを並べてみる。今回取り上げたのは、発売から25日で30万部を突破した『ぼく、オタリーマン』。ガイド厳選コミックエッセイも紹介!

石井 千湖

執筆者:石井 千湖

話題の本ガイド

ガイド厳選! エッセイ漫画の傑作

毎日かあさん
数多ある育児漫画の中でも異彩を放つ傑作。漫画家母さんと息子と娘。そして父さん。笑える逸話の数々に油断していると……
ガイドがおすすめしたいエッセイ漫画はこの3作品。必ずしも好感が持てたり、共感できるとは限らないアクの強さがあるが、自分が知っているのとはちょっと異なる日常に連れて行ってくれる。

『毎日かあさん』シリーズ
エッセイ漫画の中でも一大勢力を築いている育児もの。そこで異彩を放つのが『毎日かあさん』だ。焼酎飲みながら絵本を読み聞かせたり、やる気はあるのに勉強ができない息子を前に早期教育の精霊(見た目は半裸のおっさん)を降臨させたり。おかしなエピソードの数々に爆笑しながら、油断しているとホロッとさせられる。笑えるだけじゃなく、泣けるだけでもない。子どもの不思議なところを発見する楽しみもあり、読後感の複雑さが癖になる。

『監督不行届』
「安野モヨコ初のエッセイコミック」として話題になった本書は、“ちょっぴりオタク”じゃなくて“どっぷりオタク”の夫・庵野秀明氏をモデルにしたカントクくんの生態観察漫画。自分や自分に近しい人、しかも大半の読者が顔やその作品を知っている人を、どうキャラクター化するか。美化しすぎても、貶めすぎても読者は引く。その塩梅が実に難しいと思うのだが、カントクくんは奇人変人ぶりと可愛さが絶妙なバランスで同居した魅力的なキャラクターになっている。

『おんなの窓』
酔っ払った勢いで親の面倒を見るといってしまったり、妹に「おねいちゃん家って、いつも押入れのニオイするー」といわれたり。三十路独身おんなの自虐ネタを描かせたら天下一品の著者。一人暮らしなのになぜか一戸建てを建ててしまう『やっちまったよ一戸建て!!』もおもしろいのだが、本書は1コマなのに物語が見えるところが秀逸だ。コマの下に追記されたコメントも味わい深い。ここで立ち読みできます。

<DATA>

タイトル:『毎日かあさん カニ母編』
出版社:毎日新聞社
著者:西原理恵子
価格:880円(税込)

<DATA>
タイトル:『監督不行届』
出版社:祥伝社
著者:安野モヨコ
価格:840円(税込)

<DATA>
タイトル:『おんなの窓』
出版社:文藝春秋
著者:伊藤理佐
価格:1,000円(税込)

【関連リンク】
「鳥頭の城」…西原理恵子公式サイト。

「蜂蜜」…安野モヨコ公式サイト。

「伊藤理佐応援団」…伊藤理佐のファンサイト。


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