☆読み物系ブライアン・ワンシンク『そのひとクチがブタのもと』
「食べてないのに太る」は嘘!? さまざまな実験を通して“無意識の食”の謎に迫る |
キョーレツなタイトルだが、原題は『Mindless Eating』(=考えないで食べてしまうこと、無意識で食べてしまうこと)。著者はマーケティングの視点でアメリカ人の食生活を研究するワンシンク博士。彼は食べる量や食事の楽しみには、“隠れた説得者”が大きな影響をおよぼしていると説く。
“隠れた説得者”とは何か? 例えば食品のパッケージ、レストランのメニューの名前などなど。主に視覚からの情報が多い。なぜ? 本書の言葉を借りれば、わたしたちは胃袋ではなく目を信じるからだ。
MサイズよりもLサイズの容器に入ったポップコーンを渡した方が、食べる量は平均的に多くなる。底抜けのスープボウルを用意して、飲んでも飲んでも減らないようにすると、いつまでも飲み続ける。低脂肪のラベルがついていると、いつもよりたくさん食べてしまう。
ワンシンク博士はそんな実験結果を紹介した後、“無意識の食”を逆手に取ったダイエット法を提案する。
【この本の名言】
最良のダイエット法とは、自分がダイエット中であることに気づかない方法なのである。
単品ダイエットとか、無茶な運動とか、特別なことをしようと思わないこと。“無意識の食”習慣を逆手にとって、食生活をゆっくりと変えていくことが、結局は近道のようだ。
<DATA>
タイトル:『そのひとクチがブタのもと』
出版社:集英社
著者:ブライアン・ワンシンク
価格:1,575円(税込)
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