書籍・雑誌/話題の本関連情報

読んだ気になるビジネス書<第1回> 『ザ・ゴール2 思考プロ(2ページ目)

スリリングなビジネス・ノベルとして売れに売れた前作。続編では紹介されている「TOC理論」が生産の現場を飛び出す!? で、主人公はどうなるの?

執筆者:梅村 千恵

■TOC理論、工場から飛び出す!

今回、彼を襲う危機は、多角化からコア・ビジネス集中へという経営方針の変更。彼が前作で苦楽をともにした仲間たちが率いる関連企業が、このままでは、売却されて安く買い叩かれてしまう。多角化担当副社長である彼のキャリアも大ピンチ! 一発逆転の唯一の方法は、これらの市場も規模も異なる企業の売り上げを拡大させること。それも、短時間で劇的に――。

で、再び、TOC理論が登場。前回、この理論が対峙したのは、工場の在庫であり、生産性だったが、今回の相手は、「市場」。前回、工場に「変化」を起こすために活用されたTOC理論が、今度は市場に「変化」を起こすための「思考プロセス」として登場。

現状を把握し、何を(ここが制約条件というわけか)、変えるべきかを明確にするための「現状問題構造ツリー」構築から始まり、実行に移す設計図である「移行ツリー」の設計まで、好ましい「変化」を引き起こすためのプロセスをアレックスとともに、追体験できる。

言うならば「工場から飛び出したTOC」。前回は、舞台が舞台だけに、製造業・技術職以外の人の中には、ピンとこなかった人も少なくないだろうが、本作は、それぞれの立場で「変化」を求められている人(かなり広範な層の人、ということになろう)にとって、何らかの気づきがある内容だ。で、アレックスのアメリカン・ドリームは?そりゃ、もう……。

★あえて、アラ、捜します!
問題解決の手順の踏み方を示すメソッドは、職場の会議などでも使えそうなだけに、もう少し図表がほしかった。

この本を買いたい!

●「TOC理論」のことをもっと詳しく知りたい人はTOC制約理論の広場へ。

●仕事に役立つ本をチェックしたいなら「ビジネス書の情報ページ」へ。
【編集部おすすめの購入サイト】
楽天市場で書籍を見るAmazon で小説を見る
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます