2009年10月25日発売、ソニー「TA-DA5500ES」

2009年10月25日発売、ソニー「TA-DA5500ES」

2009年10月に新しく発売された、ソニーのAVアンプ「TA-DA5500ES」は、自動位相マッチング機能「A.P.M.」の搭載で注目を集めています。ホームシアターにおける「A.P.M.」の威力とは? 今回は、筆者鴻池が、試聴環境の整った「ソニースタイル 大阪」で実際に体験し、レポートします! 開発者である金井さんにもお話を聴きました。


いままでのホームシアターにおける問題点

本来サラウンドは「後ろからも音が聞こえる」のではなく、作品の空間や空気感を再現するもの(画像クリックで拡大)

本来サラウンドは「後ろからも音が聞こえる」のではなく、作品の空間や空気感を再現するもの(画像クリックで拡大)

A.P.M.」(Automatic Phase Matching/自動位相マッチング)機能を説明する前に、まず従来のホームシアターにおける問題点をお話ししなくてはなりません。

ホームシアターでは、複数のスピーカーで視聴者を取り囲み、音声を立体的に再現しようとするマルチチャンネルオーディオが基本です。5.1chや7.1chといった言葉も、随分一般的になりましたね。

一般的にステレオと呼ばれるオーディオは、2ch、つまり前方に設置した2本のスピーカーで左右の広がりや位置を表現するのに対し、マルチチャンネルは後方に配置したリアスピーカーを利用して、前後の広がりや位置を再現できるのです。

ところが、これは、設置や調整が完璧でこその話。一般的なホームシアターでは、前方左右のスピーカーは同じでも、前方中央に配するセンターや後方に配するリアスピーカーは、比較的小型なものなど、異なるスピーカーを利用するケースが殆どです。また仮に、前方左右と全く同じスピーカーをセンターやリアに使ったとしても、設置位置によって音の反射条件が異なるなど、違いが出てきます。 

さらに重大なのは、フロント用のスピーカー(特にハイエンド)が、中域を担うスコーカー、または低音を担うウーファーを逆相にしている事実。これでは、フロントとリアスピーカーが調和しないのは当たり前です。

こうしたスピーカー間での音色の違い、位相特性の違いは、サラウンドサウンド本来の目的である立体感や、空間の再現性を妨げる原因となっていたのです。 

初心者の方にはちょっと分かり難くなったかもしれませんので、スピーカーの違いや位相の違いを、靴に例えてみましょう。

スピーカーの違いは、靴の違いと言えるでしょう。右に長靴、左に下駄を履くと歩き辛いはずです。オーディオにおける位相は、正相に対し、スピーカーケーブルの接続を間違えた際に起こる逆相があります。これは、同じ靴だけど、左右をはき間違えたような違和感を生じます。位相のズレは、表現が難しいですが、同じ靴でも、靴底の減り方が違うと表現すれば良いかもしれません。間違いではないけれど、違和感が有り、歩き難いはずです。