文章:中野 豊(All About「名作映画」旧ガイド)
ガイドがまだ10代終盤(1970年代後半)、新宿のアンダーグラウンド映画専門の「アートシアターJYUKU」という小屋で観た『フリークス』と『ピンク・フラミンゴ』の2本立て(映倫未通過で字幕もボカシもなし)に度肝を抜かされたのが悪趣味映画との出会いです。名作映画ガイドがお届けする悪趣味(バッド・テイスト)ムービー!なんだか矛盾しているようでもありますが、ある一線を超えるとアートとも言えるのではないでしょうか。醜い、不快、エログロ、残虐、鬼畜な表現を映画というメディアを通してやりたい放題 し放題の映画たちを様々な題材から拾ってみます。
ジョン・ウォーターズという変人
1972年/アメリカ映画『ピンク・フラミンゴ』 |
主演のディヴァインは本作でアングラ女王の座を勝ち取り、ウォーターズ監督作品の顔として、電気椅子送りになる不運な女の『フィメール・トラブル』、平凡な主婦がとんでもない目に遭う『ポリエステル』と悪趣味映画に連続出演!が、1988年に他界。ディヴァイン亡き後、ついにメジャーのキャスリーン・ターナーを起用して、とんでもない正義の殺人主婦を描いた『シリアル・ママ』を創りました。
異型のモノへの偏愛・サイドショウ的映画
1996年/カナダ映画『クラッシュ』 |
1932年/アメリカ映画『フリークス』 |
次ページでは、死体が主役?の映画と悪趣味映画の中の秀作『ソドムの市』、『最後の晩餐』をお届けします。