競作かわら版:落語と江戸風俗
競作かわら版 落語と江戸風俗/著作:つだ かつみ、中沢 正人/出版社: 教育出版 |
古典落語の世界を楽しむには、その落語に出てくる風景、物や人物などをある程度、自分で想像しなければなりません。とはいっても、落語に出てくる「花魁(おいらん)」「かむろ」「臥煙(がえん)」、「へっつい」「キセル」「籠(かご)」、や「三軒長屋」「吉原」「奉行所」なんてテレビの時代劇くらいでしか見たことないのでどんなものなのか、よくわかりません。実は古典落語を本当に楽しむには、それ相応の知識や見識が必要です。
その想像しにくく、知識や見識が必要な古典落語の世界を本書では文章だけでなく、イラストとマンガで分かりやすく解説してくれます。この本を読んでから古典落語を聴くと、江戸を舞台とした古典落語の世界をイメージしやすくなり、今までよりさらに古典落語を楽しめることができます。
さらに本書を読めば古典落語に詳しくなるだけでなく、江戸の時代の民衆の文化や風俗も学べます。一石二鳥な教育的価値の高い落語関連本です。
今夜も落語で眠りたい
今夜も落語で眠りたい/著作: 中野翠/出版社: 文藝春 |
「落語の楽しみ方は人それぞれで自分にあった楽しみ方をすればいいのよ」という感じで落語の楽しさをさり気なく教えてくれる。女性向きなやさしい落語ガイド本です。
本書ではあの噺家のあの演目の演じ方はどうだとか、何年何月の高座はこうだったとかいう、批評や説教じみた講釈はいっさいなく、著者が感じたままの落語の素晴らしさを中野流の上質なエッセイでさりげなく紹介してくれます。
特に彼女が寝る前に聞くというオススメの落語CD(志ん生、文楽、志ん朝といった王道ばかり)の紹介文は落語通やマニアが書くソレのようなアクがなく、素直に、そのCDを聴いてみようという心持(こころもち)になります。
落語に興味を持ったけど、寄席や落語会に行くにはちょっと抵抗があるという人にうってつけの一冊です。本書を読めば、もっと落語を聴きたくなり、寄席や落語会に行きたくなるはずです。
今回は様々な落語本が発刊されている中で落語に興味を持ち始めた方にも読みやすいものを中心に紹介させていただきました。参考になったでしょうか?