桂文珍 落語全集
桂文珍 落語全集/CD10枚組+別冊解説書 |
■桂米朝はかなりの数の落語CD(100枚以上)を発売しているので、どれがオススメかは判断つきずらい。
■桂枝雀もかなりの数のCDを発売しているのですが、どのCDも枝雀色が強く(ハマれば最高に楽しめるのですが)万人向きとはいえない。
■桂三枝にいたっては「創作落語125選」という途方もない偏ったセットです。
そこで、初めて落語のCDを聴く方を含めて万人にオススメするなら桂文珍です。ちょっと意外な気がするかもしれませんが、文珍の落語CDは上方だけでなく江戸(東京)でもなじみのあるポピュラーな古典落語のネタを中心に展開していて、とても聴きやすいからです。
「桂文珍 落語全集」では大ネタと呼ばれる古典落語の演目を中心に構成され、なおかつ文珍落語の決定版と呼ばれる新作落語4席も収録されており、飽きのこないセット内容になっています。
今までタレント桂文珍しか、ご存知なかったなら、ぜひこの機会に文珍の落語CDをお聴きください。「目から鱗」で噺家・桂文珍ってこんなに面白いの? ってちょっとビックリするはずです。
立川談志プレミアム・ベスト落語CD-BOX(芸歴50周年記念)
立川談志の落語家生活50周年記念の11枚組CD-BOX。最期の「ひとり会」収録。家元のセットCDの中で入門編であると同時に集大成でもあります |
立川談志は「ひとり会落語CD全集」を初めとする数多くのセット物を販売しています。「オレをその辺の噺家と一緒にするな」と怒れそうですが、毎回、セット物が発売されるたびによくこれだけネタがあるなと関心させられます。
その数ある立川談志のセット物・落語CDの中で最近、集大成と呼ばれるものが発売されました。それが「立川談志プレミアム・ベスト落語CD-BOX(芸歴50周年記念)」です。
内容はまさに立川談志の集大成と呼ぶのに相応しい高座が収録されてます。どの高座も近年のライヴ音源ですので音がクリアで聴きやすく、立川談志の十八番されている大ネタばかりですので、初めて立川談志のセット物・落語CDを購入する人も、すでに多くの立川談志のセット物を購入している人にもオススメです。
まずは現役噺家の落語CDを聴くベし
以上、「大人買い」しても外さない落語CDのセット物を発売している現役の噺家を紹介させてもらいました。古今亭志ん生、桂文楽(八代目)、柳家小さん(五代目)なのどの往年の名人達のセット物は? と思われるでしょう。落語入門として、私は往年の名人と呼ばれていた噺家達の落語CDはオススメしません。いくら往年の噺家の名人芸だとしても、昔の音源はかなり時代を感じ、デジタル音源全盛の現代では正直、聴きずらい。
特に志ん生、文楽(八代目)を落語入門に薦める傾向がありますが、二人とも40年以上前に活躍(それも晩年)していた噺家ですからね。落語は生の演芸だということを踏まえると、入門編としては「古過ぎる」ではなくて、敷居が高すぎます。
落語にはハマッってくると、この往年の名人達の音源を探しては聴きまくるようになるのですが(私は先代の金原亭馬生と三遊亭金馬の音源を捜してます)、これはマニアの域ですね。
そして、CDで落語を聴きこむと、必ずその噺家の生の高座が聴きたくなります。現役の噺家達であれば、生の高座を聴くことができますが、物故である往年の噺家であれば、その願いも虚しいものとなります。
それゆえ、私は落語CDを薦めるときは、現役の噺家(それも一流の一級品)を紹介するようにしています。
セット物の落語CDは高額とはいえ¥20,000~¥30,000程度です。大人買いをするには手ごろな単価だと思いますので、ひとつ趣味を増やすと思って検討されてはいかがでしょうか?
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