『蛇にピアス』(R-15) |
『蛇にピアス』初日舞台あいさつ2003年に20歳の若さで鮮烈な芥川賞デビューを果たした金原ひとみの原作を蜷川幸雄監督が映画化した『蛇にピアス』。9月20日、初日を迎え渋谷シネマGAGA!での初日舞台あいさつには、蜷川幸雄監督、吉高由里子、高良健吾、ARATAが顔を揃えた。
■蜷川幸雄:この作品を撮れるかどうか、公開できるかどうか、心配でした。才能があって繊細な大物たちに、どうやって対応して、彼らに信用されるような演出をつけるか、悩みました。最終的には3人を盗み撮りするような感じでひそやかに撮りました。(同日公開の『アキレスと亀』」北野武監督と『次郎長三国志』マキノ雅弘監督について)もともと、自分は演劇界の人間なので映画の世界は、よそんちで遊んでいるみたいです。武さんも津川さんも親しい友人ですが、負けたくないです。 ■吉高由里子:すべてが大変で、人と話し合って役作りしたのは初めてでした。高良さんとARATAさんと窓を閉めて、カーテンを閉めてしっとりと話し合いました(笑)。監督は作品を根っこから愛している感じがしました。現場では、自由に泳がせていただいたという感じです。色々あって、私が一番生命力が強かった時に撮影した作品です。初めての体験ばかりでした。(初日まで)長い死闘でした(笑)。ずっと終わらなくてほっとしなくて、今日やっと公開ですが、まだ不安です。やる側も観る側も体力がいる作品だと思います。 ■高良健吾:僕が今まで演じた役の中で一番違和感のある役でした。いろいろな財産をもらいました。ハードな内容だけれど、現場はあったかくて幸せでした。この作品があったおかげで、そのあとの作品の現場を楽しめるようになりました。このことは僕の中ででかいです。 ■ARATA:蜷川組は、監督に抱いていた力強い現場のイメージとは違い、実際はていねいに芝居をつけてくれて、やさしいあたたかい空気でした。役者ひとりひとりの芝居あってこその現場なので、3人で助け合いながらやっていました。自分ひとりでは役を作っていくことはできず、2人と一緒に作っていく空気感から芝居が固まっていきました。 吉高由里子の熱演とARATAの変貌にビックリ『蛇にピアス』ストーリー 受賞時に原作を読んでいたのですが、内容は知っていても映像で見ると驚きの連続。原作よりもひとつひとつに奥行きを感じるのは蜷川演出によるものだろうか。そして、刺青に「目を描かないで」という要求と、その理由を語る場面も切ない。吉高由里子さんの体当たりの熱演は女優魂を見せてくれたし、同性としても拍手を送りたい。そして、シバを演じたARATAさんに胸キュンです。 |