『南極日誌』を観ました
狂気の極点へ その恐怖は「シャイニング」を超える
『南極日誌』(2005)[Antarctic Journal]どこまでも続く氷の世界。ただ、ただ美しいと思い見ている。えっ、これ探検ものじゃないんだ。いや、探検するけど、探検記じゃないんだ、が正しいかな。これだから予備知識(鑑賞前に配布された資料に目を通す事)を頭にいれとかないと…。でも「ゼロ」から楽しむのが、最近の好みなのよねぇ~。 <<南極――昼と夜とが半年交代で継続する零下80度の極寒。探検隊長チェ・ドヒョン(ソン・ガンホ)率いる探検隊は「到達不能点」に挑む。探検22日目に、80年前のイギリス探検隊の日記を発見、すると信じられない出来事が起こり始める。>> 実際に南極で撮影したの?(←2ヶ月間のニュージーランドロケ)、どうりで俳優たちが増量(←ソン・ガンホ氏は8キロ減量)しているわけだ。『オールド・ボーイ』 『友引忌-ともびき-』のユ・ジテなんてぷっくぷくの頬をして登場するものだから、一瞬誰だか分かりませんでした。『殺人の追憶』『復讐者に憐れみを』 『大統領の理髪師』ソン・ガンホは覇気のない目で、生ける屍のようなので顔はガンホなんだけど、感情を持ち合わせていない人物を演じているのです(バックグラウンドも次第に明かされる)。その口グセは「人のできないことをしてこそ、生きている価値がある」というもの。生きがいを、そういうことにしか見出せなくなっているのだ。だから成り立つ物語でもある。 意外なところに恐怖を感じました。それはヤカンだったりお鍋だったり、実際に何かが起こるか否かではなく。と、頭が朦朧としてくる…おいおい、なんだその「目」は! 得体の知れない存在を感じはじめてから、どんどん分からない世界にはいってゆく。ガイア―大地の女神。ひとつの生き物としてみた地球。体感しているようで、理解できない世界、それが心理面での「シャイニング」を超える(と、キャッチコピーにある)、この映画の持ち味なのかもしれない。結束していた6人、不思議なできごとが次々と起きる、極限状態におかれた人間の心情は、通常からでは計り知れない。 韓国演劇界で活躍する人々が多数登場。85億ウォンの製作費をかけた超大作韓国映画。音楽は『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』『アヴァロン』の川井憲次氏。紅一点の出演者は、『オールド・ボーイ』 『美しい夜、残酷な朝』のカン・ヘジョンさん。ベースキャンプで通信などの業務を担当するイ・ユジン役。でもでも・・・どこへ行ったの~?[2005/7/4] 手前の物体…さわって、び・び・ビックリ |
『南極日誌』 |
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