2004年4月24日(土)~日劇3ほか全国ロードショー
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Q:ルビー役がすごくピッタリですが、どうしてもこの役を演じたかった理由は?レニー・ゼルウィガー:「長年アンソニー・ミンゲラ監督のファンで、「この美しい映画に私も参加したい」と思っていました。そしてまず原作を読んで、キャラクターも好きになりましたし、文化的にも地理的にも好きな土地を描いていました。ルビーのように、これだけ映画の中で成長する役も珍しいと思います。脚本を読んだ時に、素晴らしい作品になると思いました。ルビーの精神、子供っぽさ、何事にも躊躇しない強さが大好きです。アンソニーとの体験は、俳優にとってすばらしい体験でした。彼は、何を達成したいかがクリアに分かる、女優にとってすばらしい体験をさせてもらいましたから絶対に一生忘れません。」
レニー・ゼルウィガーが役づくりの為に当時の社会的、文化的な事も含めアメリカの歴史を学ぶことからはじめたとか。原作や脚本でルビーがどういう人物なのか、どういう生活をしてきたのか、どういたことが出来るのか?をじっくり読みました。そのために日焼けをしたりしましたけど、衣装でだいぶ雰囲気がでました。毎日の撮影の中で監督と相談しながら決めていったものです。
アンソニー・ミンゲラ監督によれば「違う要素を兼ね備えた二人、ニコール演じるエイダは「空」、レニー・ゼルウィガー演じる、ルビーは「大地」という位置づけをしていました。大地に根付くルビーは、「空」にむかい、中を浮遊しているエイダは、「大地」に降りてくる感じ。そうして互いに歩み寄っていくんです。」といった感じを脚本を書いている段階から想定しキャラクター作りをしていたという。
監督とレニーの出会いは「コールドマウンテン」に興味を持つ人物としてだったという。原作を気に入ったレニー・ゼルウィガーは映画化の権利を買おうとしていたそうだ。監督自身も映画化にあたって脚本を書き始めていた頃でキャステイングは決めていなかったという。そしてLAのレストランンで約束したそうだが、5分前になって「あれ?レニー・ゼルウィガーってどんな顔してたっけ?身長は?体型は? 」とレニーの出演作を何作も観ているものの毎回違うので…思い出せなかったという。また「編集作業のときに観ていた彼女と今隣に座っている彼女は、一致しないんです。皆さんも劇中のルビーと一致しないのではないでしょいうか?」と女優、レニー・ゼルウィガーの役作りのすごさを絶賛。
レニー・ゼルウィガーは、この『コールドマウンテン』の演技で第76回アカデミー賞で最優秀助演女優賞を受賞している、その感想については「オスカーを受け取った時の瞬間は、覚えていないんです。階段を昇る時に転ばないように気をつけなくちゃ、という事だけを考えていました。スピーチの内容も覚えてないぐらいです。しばらくしてから受賞を信じられないという気持ちと罪悪感を感じました。なぜならば沢山の発見ができたのも、全て監督のおかげだからです。」。そしてオスカー像の保管場所を尋ねられると「今は寝室に置いてあって、毎朝、起きたときに「夢じゃない、本当にあるわ!」と確認できるからです。」とふんわか雰囲気でこたえてくれた。
本作は男女のラブストーリーであると同時に「最後のシーンは階級も思想も違う人々が一つの食卓を囲んでいるのです。残念ながら今の時代は暴力や武力を用いるのが有効であるとされています。そういうことから離れて一つの食卓を囲む、対話をして相手の意見を聞いて解決する。対立する相手との話をする大切さを考えていただきたくて製作しました。」と人間愛も描きたかったようである。
映像化に悩んだのは、冒頭の戦争、戦乱シーンだったと監督は語る。その際に参考にしたのは、黒澤明監督の『影武者』『乱』といった作品の素晴らしい演出を参考にしたという。
原題:『COLD MOUNTAIN』日本語版字幕翻訳:戸田奈津子監督・脚本:アンソニー・ミンゲラ原作:チャールズ・フレイジャー製作:シドニー・ポラック、ウィリアム・ホーバーグ、アルバート・バーガー、ロン・イェーザー撮影監督:ジョン・シール 編集:ウォルター・マーチ 衣装:アン・ロス 音楽:ガブリエル・ヤール キャスト:二コール・キッドマン、ジュード・ロウ、レニー・ゼルウィガー、ドナルド・サザーランド、フィリップ・シーモア・ホフマン、ナタリー・ポートマンほか(R-15)