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『ペイチェック』来日会見-速報(2ページ目)

3月13日(土)~公開の『ペイチェック 消された記憶』で巨匠ジョン・ウー監督と主演のベン・アフレックが2/23に来日会見を行った。SF界の巨匠フィリィプ・K・ディックの傑作短編「報酬」の映画化だ。

執筆者:南 樹里

『ペイチェック 消された記憶』↑『ペイチェック 消された記憶』公式サイト

ペイチェック 消された記憶今からそう遠くない未来。情報化社会がますます進む一方で、機密保持のために国家や企業が腐心している時代の物語。マイケル・ジェニングス(ベン・アフレック)は、したたかにハイテク企業を渡り歩き、極秘プロジェクトに参加するフリーのコンピューター・エンジニア。その技術は、リバースエンジニアリングといって、既成の開発品を分解し、技術を盗み、よりよい商品開発の手助けを行うものだ。その契約は常に短期間で、プロジェクトが完成すると、高い報酬〔ペイチェック〕を受け取る。

 

マイケルとハイテク企業が結ぶ契約書のなかには、契約期間の間の全記憶を消去することが条件で盛り込まれているため、新商品が完成すると特殊なプログラムで記憶を消されるのだ。リバース・エンジニアリングは、違法であり、また開発の過程を漏らせらないよう最善の方法とされるから。マイケルというのは、自分の人生の何分の一かを切り売りしている男なのだ。

記憶を消去された後にいつもマイケルを襲う形容しがたい喪失感――それでも新たな契約を結ぶ。今度はジェームズ・レスリック(アーロン・エッカート)が代表を務める巨大ハイテク企業、オールコム社のビッグ・プロジェクトに関わるのだ。近年、目ざましい成長を果たしているオールコム社は、巨額な報酬を用意した。契約期間は3年。プロジェクトが終わると3年分の記憶がスッパリ消されてしまう。

やがて3年の月日が経過し仕事も無事終えた。これまでにない報酬を受け取りに出かけたマイケル。ところが、記憶を消された後にオールコム社から手渡された封筒には、がらくたとしか言いようのない19個のさまざまなアイテムが入っているだけだった。そんな結果に納得できず、反論するマイケルの目の前には、"報酬を辞退する代わりにこの紙袋を受け取る"という自分の署名がある誓約書。

何故こんなことになったのか?自分は何者かに欺されているのか? もしそうなら、何故?それに命も狙われている…。しかし、一切の記憶は消されてしまった後。それが間違いとも、真実だとも判らない。いったい3年の間に何が自分にあったのか?

原題:『Paycheck』日本語版字幕翻訳:林 完治[2003年/アメリカ/シネスコープ/DTS,SRD,SR/118分] 配給:UIP▼南の試写コメフィリップ・K・ディックの原作を基にディーン・ジョーガリスによって脚本は練られた。原作はアイテム数も映画ほど多くなく、またユマ・サーマン扮するレイチェル・ポーターも登場しない、文庫本の厚さにして5ミリほどの短編で、サッと読めてしまうものでした。リバース・エンジニアリング。。。そして記憶の消去と、今なら、ありえそうで怖い。でも、この作品の楽しむべきストーリーは巨額の報酬の代わりに受け取った19コのアイテムを、どこで、どうやって使うのか?という謎解きでしょう。あまりベン・アフレックに似つかわしくない設定の主人公?だと思ったが、こういう状況でもオロオロすることなく、着々と問題解決をしてしまいそうな沈着冷静なキャラクターだと面白みが失われてしまうからだろう。その意味でジョン・ウー監督がキャステイングを決めたのかな??なんて。
[2004年1月19日@完成披露試写会]
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