映画/映画関連情報

『パリ・ルーヴル美術館の秘密』(2ページ目)

■世界最大の美術館<ルーヴル>の裏側!!■ 12月20日(土)~ユーロスペース他。これまで絶対に美術品以外の撮影を許してこなかったルーヴルの裏舞台に、初めて映画のクルーが足を踏み入れた。

執筆者:南 樹里

パリ・ルーヴル美術館の秘密パリ・ルーヴル美術館←公式サイト(英語・仏語)
★☆ ニコラ・フィリベール監督インタビュー ☆★
どのような経緯でこの作品を?ニコラ・フィリベール監督:これには色々ないきさつがありまして…。1987年の終わり、ちょうど例のピラミッドは建築中、フィリップ・オーギュストの城跡を見つけるため地下の掘り起こし、新しいエントランス空間の創設、それに展示室の改装、等々で大変な時でした。ちょうど現在のグラン・ルーヴルに向けての大工事の初期で、学芸員たちも展示作の再編成を始めていて、特に17世紀のフランス画家、シャルル・ル・ブランの巨大な作品を展示することにしたのです。その作品は第二次世界大戦からずっと倉庫に眠っていたもので、その保存も長い木製の円柱に巻きつけて保管していたため倉庫から展示室に移動するだけで大事でした。そこで記念のため、また痕跡を残すために映像化しようと学芸員たちは考え美術館の音響・映像担当者に話がいき、その方から依頼の連絡がありました。そんな感じなので、最初は1日だけフィルムに収めればいい!といった感じで呼ばれたので、それが映画になるとは思いもしませんでした。しかしながら撮影を始めたら自分達の好奇心が刺激されて、翌日も、また翌日もって感じに続けて3週間、関係者に見つからぬよう撮影していました。幸い学芸員たちは、みな自分の仕事に夢中で誰一人として質問したりしてきませんでした。さすがに正式に許可を取らなければ!と館長からどんな反応が返ってくるは想像もつかぬまま、ミッシェル・ラクロット館長に直接お会いしました。とても話の分かる方で、まだ無名の私に許可をくれました。この映画にナレーションがないのは?ニコラ・フィリベール監督:専門的見解に背を向ける映画だからです。学者が芸術について話すのを聞かせるためとか、観客を啓蒙するための映画を作ったんじゃないんです。私はまず、フィクションのように話をしてもらうようにしてました。専門家でもなければ美術史の大家でもない、だからこそ無邪気に撮影できたし楽しげでちょっと皮肉っぽい調子をつけられたのです。▼南の試写コメあのルーヴルの裏側を撮影できたなんてよっぽどの制約の中、撮影したのかと思いきや、まったく自由だったそう。100号?の絵画を運び入れ時、ベランダのコンクリート部分がパックリと開閉する。おーそんな仕掛けがあったのか。館内で拳銃を発砲するとは、いやはや驚き(音響テスト、残響効果を計っているそうです。)。美術ファンならずとも知的好奇心を刺激する。総勢1200名が見せる、裏方といえども、優雅にお品よくがルーヴルの姿なのね。ナレーションが入らない分、南はジックリ見入ったけれど、もしかしたらあまりにも穏やかに進むので、満腹後の鑑賞は、居眠りしちゃう人もいるかも。
[2003年10月29日 @メディアボックス]

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