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もし、日本の観光客がエルミタージュを訪れて、「30分じゃ物足りない」とツアーコンダクターに言っていた、という話が私の耳に入ったら、それはこの映画の功績だと私は思うでしょうね(笑)。それくらい映画の反響が大きくなることを期待しています。
一番大切なことは、観る人を泣かせたり、笑みを浮かべさせたり、あるいはエロチックな感じを高めたりというのが、普通の映画では当たり前だけど、このような映画でもできるんだということを世界中に示すことができた。こういう作り方、こういう映画もあるんだよ、ということを示せたことが、我々にとってはとても大事なことなんです。
映画には日本的映画とか、ロシア的映画という区別はありません。あるのは「いい映画か、悪い映画か」だけ。いい映画は長く記憶されますが、悪い映画はすぐ忘れ去られてしまいます。この映画は、皆さんの記憶に長く残る映画になると思います。
■『エルミタージュ幻想』
監督・脚本:アレクサンドル・ソクーロフ 撮影:ティルマン・ビュットナー
出演:セルゲイ・ドレイデン、マリア・クヅネツォワ、ほか
2002年ロシア・ドイツ・日本/96分/2月22日よりユーロスペース、ほか順次全国にてロードショー
オフィシャルサイト:http://www.pan-dora.co.jp/hermitage/
(テキスト:名護 すえ子)