プラスチック、セラミック、シュガーレス・・・いや、コンクリートガール
ガイド:
ピンクにするのは自分の部屋だけにしましょう。
では、楽曲に話を移したいと思います。お世辞抜きで言いますが、今回のトリの曲とも言える「コンクリートガール」を聴いて、鳥肌立ちました。このアルバムでアーバンギャルドが次のステージに進もうとしている予感はあったのですが、この曲でそれが予想以上のものだったと確信できました。センチメンタルなマイナー感とトレンドに沿ったエレクトロ的重厚感が、同居しながらせめぎ合っているところがツボです。
松永:
今回のアルバムのサウンド的なテーマとして「かわいい上半身に、イカツイ下半身」というのがあったんです。重厚なベースやドラムの上にアナクロなまでにキュートな電子音がスキップを踏んでいるような。それはまるでかわいい顔して獰猛な肉食系女子のよう。真面目な話、女の子の狂気を描きたかったんです。海外からも注目される日本特有の「かわいさ」には、少々の奇形と血と暴力、が介在している。そしてそれは都市に溢れる狂気となって、少女たちを介して都市生活者の身辺に跋扈するのです。驕っているかもしれませんが、それを真摯に描くことで彼女たちのメッセージを代弁したかった。恐らく切ったら血が出るんでしょうが、血は時に出してしまわなくてはならないでしょうから。
ガイド:
よこたんのヴォーカルにもなんだか艶が・・・処女からちょっと大人になったのかと疑っています。あやしくないですか?
浜崎:
もう先生ったら!!
ガイド:
今日は先生ではなく、ガイドですよ~。でも、その反応、よけいに怪しい。
聴き伝えですが、よこたんが天馬君のコーラスについて不満があるという噂がありますが、真意のほどは・・・
浜崎:
何を仰いますか! 松永様の素晴らしいコーラスのお陰で私のヴォーカルも益々生きていると日々感謝しておりますよ。正直、デュエットソングが大好きな私にとって男女ツインヴォーカルのアーバンはハーレム状態です。
松永:
あ、あれ?もっといつもみたく虐げて下さい!!
ガイド:
まぁ、いいでしょう・・・乙女の二面性は可愛いもんです。
「プラスチック・・・」「セラミック・・・」「シュガーレス・・・」といった歌詞に確信犯的企みを感じるのですが・・・それは僕の思い込みでしょうか? キーワードも浮かびますしね(笑)。
松永:
ご想像にお任せします(笑)。女の子には「変わりたい/変わりたくない」の気持ちのせめぎ合いが常にあるものと感じています。プラスチックへの憧れとプラスチックになることへの恐怖は、言い換えれば「成熟したい/成熟したくない」ってことでしょう。シュガーレスでクールな女になりたい一方、甘えたくなる時もあるんじゃないでしょうか。
ガイド:
じゃ、遅咲きガールでもあるんですね。
PVがとってもシュール! あえて言えば、スカートめくれないのが、残念。堕ちていくよこたんを撮るのは、かなり大変だったのでしょうか?
◆コンクリートガールPV(YouTube)
松永:
これは渋谷109-2の屋上から浜崎に何度も飛び降りてもらいました(精神的に)。今回PVのバジェット自体は前回「水玉病」よりかなり低く上がったのですが、クロマキーを一心不乱で抜きまくる藤井君の人件費を考えれば、膨大な額になったかもしれません。というぐらい映像処理に時間がかかりました。藤井君は迫りゆく〆切のさなか、画面のなかで浜崎が堕ちていくのを横目に、何度も堕ちかけていました(精神的に)。
浜崎:
飛び降りるシーンもスカートのシーンも、乙女にそんな無理をさせるのかと言う位辛かったですね。体力気力共に。でもアーバンのPV撮影はいつもそうだから、諦めてます。普通の撮影のように可愛く撮れたらOKではないので。翌日体がバッキバキでしたが、翌日に筋肉痛が来る辺りまだまだイケるなと思いました。
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