テクノポップ/アーティストインタヴュー

アーバンギャルドの少女都市計画(2ページ目)

前作に続く、少女シリーズ『少女都市計画』が10月9日に全国的に発売。今度は、「かわいい上半身にイカツイ下半身」!松永天馬さん、浜崎容子(よこたん)さんにインタヴュー!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

スハッチェさん


ガイド:
前回のジャケは幼児芸術の巨匠、トレヴァー・ブラウン氏によるものでしたが、今回のジャケも断然、不気味に素敵です。相対的に都市という大きな存在と少女という小さな存在がヴィジュアルとして、見事に逆転しています。この作品は、おフランス人のメイン・スハッチェ(Mijn Schatje)さんということですが、誰のご指名だったのでしょうか? 僕も今回のジャケまで知らなかったのですが、再びよこたんのセレクトだったのですか?

浜崎:
はい、今回もよこたんセレクトです。今作のジャケ案はものすごーく難航しまして、時間は無いしで一時期は途方に暮れて眠れない夜も過ごしました。そんな時に彼女の作品を本当に偶然目にして、「これだ!」と運命的直感を感じて、ダメ元でオファーいたしましたら快くOKしてくださって!

ガイド:
あ、女性だったんですね。画像をGoogleってみると、確かに選んだ理由が分かります。これがきっかけとなって、スハッチェさんの日本での知名度が上がるといいですね。「わたくしがあの方を有名にしたのよ」とほくそ笑むよこたんの自慢げな顔が目に浮かびます。

浜崎:
今回、音もヴィジュアルも可愛らしさの中に秘めた狂気、というのが自分の中のテーマで。彼女の作品はまさにそれを表現してくれていると思います。出来上がったデータを最初に見たときに、感動のあまりに絶句してしまいました。前作もですが、今作のジャケも本当に気に入ってます。可愛いのに見れば見るほど不気味な、なんとも言えない感じが。

Mijn Schatje

よこたん・よこたん・よこたん・・・・・・・・・・・・


ガイド:
裏ジャケでは、よこたんが増殖していますね。これは嫌がらせではないですよね、明らかにYMO病(笑)。
よこたん増殖∞


松永:
YMO的でもあり、綾波レイ的でもあり、Chappieでもあるという。ヘンリー・ダーガーが夢見た少女の王国を、浜崎容子をマヌカンにヴィジュアライズした次第です。

ガイド:
元々、アーバンギャルドには前衛都市というのがキーワードにありましたから、少女都市計画というのは、まるで(以前、異常なガーリー部屋を公開している)よこたんが知事になって東京を全面的にガーリー化するような恐ろしい計画ではないかと心配です。

松永:
少女都市とは何を隠そう我々が活動を続ける東京のことでありましょう。水着姿の少女が雑誌の表紙を飾り、着飾った少女がパルコの壁面を彩る性倒錯都市です。ここは少女が欲望するものが市場を形成し、はたまた少女が欲望されることで資本が働く街なんです。彼女たちが食べたいチョコレートと彼女たちをチョコレートと倒錯する人々のウロボロス循環が、この街を甘ったるくする。スイーツ(笑)に変えるんです。

浜崎:
知事になったらまず道路をピンク色に変えたいですね。
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