ゴールを決めて作ってみよう
ガイド:美少女テクノポップの作り方 |
齋藤:
私もそうでしたが、DTMによる曲作りは選択肢が多すぎて、最初のとっかかりの部分でまず何をしたらいいのかがなかなかわからないですよね。特に最近、初音ミク・ブームでとりあえずソフトだけ買ったけど、実際に曲作りできていない人も結構いるんじゃないかと思っていて。そういう人たちのために、最初からゴールを決めて、それに沿った具体的な曲作りの流れを説明する本を書こうと。また、誰でも簡単に流れを追ってもらえるように、付録のDVDにある程度こちらでサンプルを用意しておいて、それらを組み合わせて曲が作れるようにしました。
音楽・DTMのきっかけ
ガイド:GULT DEP、Yセツ王、8bit Projectなどで活動されてきた齋藤さんですが、齋藤さん自身が音楽を始めたきっかけは?
齋藤:
やはり子供のころ聴いたYMOのサウンドが衝撃的でした。その頃は「テクノ」という言葉もなかったですし、電子音楽といえばとても難解な現代音楽のようなものばかりでしたから、ポップなメロディーと踊れるリズム、そしてシンセサイザー特有のスウィープ音や効果音にやられましたね。それからは、彼らの薦める音楽を徹底的に聴きました。クラフトワークを筆頭にヨーロッパの音楽をたくさん。
最初のきっかけは小学校5年生のとき。同じクラスにフィッシュマンズの柏原くんがいて、彼が通学途中に「今まで聴いたことのない音楽を、朝のテレビ番組で聴いちゃった!」って言うんです。で、それがYMOの「東風」だったんです。そして、次の日には既にピアニカと足踏みオルガンを使ってセッションしてました(笑)。
ガイド:
やっぱり、YMO体験から来ていたんですね!
所謂、デスクトップ・ミュージック的なものをやり始めたのは、どのあたりなのでしょうか?
齋藤:
最初に自宅録音を始めたのは、小学校6年生になってからでしたね。貯めてたお年玉でROLANDのSH-2というモノフォニック・シンセサイザーと、CSQ-600というシーケンサーを使ってピンポン録音を始めました。
もちろんMIDIなんてない時代ですし、マルチティンバーじゃないから、シーケンサーのパートは1つだけ。あとは人力で頑張ってダビングしてましたね。でも、ピンポンだから、重ねれば重ねるほど、最初に録音した音が劣化していって、最後にはほとんど聴こえなくなっているという(笑)。