Cut Copy
先生:さて、いまどきのニューエレクトロですが、最近洋楽を以前ほど聴きこんでいないので、偏ってはいますが、僕の中では、ダフト・パンク(Daft Punk)の流れから来るフレンチ・エレクトロやKitsune~ED BANGER系ですね。ダフト・パンクも『DISCOVERY』でのフィルターハウス的な音から、『Human After All』でエレクトロにアプローチしていますしね。Justiceやdigitalismとかは、もう王道ですから。あと、SurkinやオーストラリアのCut Copyなど。Cut Copyはかなりエレクトロポップですけどね。
博士:
Cut Copyは良いなぁ・・・ヒューマン・リーグとかユーリズミックスの良いところ取りみたいで。エレクトロ~テクノ系好きでこれ嫌いな人いないんじゃないかなぁ。こうゆうのがもっと日本でもヒットすればSPANK HAPPYなんかも人気が出るんじゃないですか。
先生:
なんかいつもSPANK HAPPYが売れなかったところにオチがありますね、博士。Surkin君なんて、ミュージシャンというよりもオタク少年という風情があります(笑)。
博士:
いんちき魔術師みたいなSurkin君なんて絶対アキバのイベントで大勢で変なシンクロダンスしてそうですからね・・・。
先生:
In Ghost Colours |
小悪魔:
MODULAR RECORDSは、なんか凄いいまアツいみたいですね。昨日お話した若いテクノ好きの男の子も「ちょー好き!」とか言ってました。
先生:
Cut Copy自体がエレポップ的であるというのは、その通りなんですが、他のエレポップ的な、エレクトロクラッシュなんかも含めたエレクトロ系がイマイチ冴えないのを考えると、Cut Copyというのは異質だと思うんですよね。彼らのオリジナルの焦らした感じも好きなんですが、リミックスものがいいです。CSSの「MOVE」、Mercy Armsの「Kept Low」やMidnight Jaggernotesの「45 and Rising」のリミックスとか、鳥肌もんです。
研究生:
わかります。リミックスも基本はエレポップ風味ですが、従来のこのジャンルとは異なるフィーリングがありますね。特にリミックスはなんだろう・・・覚醒感がポイントなのかな? 「Hearts On Fire」でも感じました。Surkin君にも同様のものを感じます。
CSSの「MOVE」だと後半はアガっていく展開。あのへんのフィーリングが、僕がCut Copyを引き合いに出した、コズミックを使用するプログレッシヴディスコのDJプレイと重なります。このへんのDJで使用される曲単体はただのエレポップなのですが、そこに別の曲を重ねてじわじわアガっていく・・・あの感覚と似てます。トリッピーな雰囲気に現代性を感じます。
Surkin君の「Next On Kin」は、同パターンを延々とループ。無茶な繰り返しだからこそトべる。僕が感じるエレクトロクラッシュの“こぢんまり感”とは異なる、フロアミュージックならではの“豪快さ”がありますね。美味しいところだけをぶっこ抜いて、ループ効果でさらに高みへと導く。この曲に関しては大袈裟な表現ですが、ちょっと“心に危険な音楽”って感覚もあって。「ヤバい」って表現がハマりそう。アンセムっぽくもありますね。
先生はどのあたりの要素で彼らを評価しておれれます?
先生:
Cut Copyを車運転しながら聴いて、考えていたんですが、“切なくて、ファンキー”なところですね。それは、Royksoppとかにも近い感覚です。
Surkin君は確かに突き抜けた感じが好きなんでしょう。どちらも、メロはエレクトロとしては強いですね。