この刹那感
先生:Perfumeが「Dream Fighter」でポジティヴさを前面に出している中、この刹那感がかえって胸にジ~ンとキテしまう。彼女のキャラクターを考えても、相性がいい。圧倒的な絶望感の中にある一粒の希望みたいな歌詞ですね。
研究生:
YMO風に表現するなら、散開ライブの「邂逅」が放つ、あの儚くもまばゆい煌めき・・・しつこいですね。すいません。で、『サヨナラ・・・』の歌詞や世界観も、先ほど述べた月面土地購入などの一連の動きとつながっているようです。Airaちゃん自身もコンセプト制作から参加し、彼女自身の地球へ対する嘆きを楽曲に反映させているそうです。
主なキーワードは高度技術社会への別れ、若者の精神崩壊、月で新たな人類がやり直せたら・・・など。あんたはサン・ラか、ホアン・アトキンスか、アラン・パーソンズ・プロジェクトかよ!とツッコまざるを得ない、ハードコアなエスケーピズムが基調となっています。ある意味“ピュア(すぎる?)”なサイエンスフィクションっぷりは、まさにデトロイトテクノ第一世代のフィーリング! Airaちゃん支持派の皆さんは、『サヨナラ・・・』をURの「Final Frontier」ともつながる、リリカルな“コズミックファンク”だとカテゴライズしておくべきでしょう。
分岐点はどこ?
講師:時系列で見ていきますと、当初、あくまでもテクノポップもやるアイドルというプロモーションだったと思います。
『COPY』で、あ~ちゃん大先生のいうところのバキバキの曲が入りはじめ、今回の「サヨナラTECHNOPOLiS」では、フロアユースを意識した曲が多いという印象を受けます。
この転換点として注目したいのは、『COPY』と『ロボットハニー』の間に、Airaの二十歳の誕生日があったということなんですよ!! つまり、Aira本人が、夜のクラブ活動をすることができるようになった、と。
助手:
(急遽割り込んできて・・・)Airaちゃんって実は最近までピンとこなかったんですよね。
ほら、まぁPerfumeがブレイクせずに場合によってはAiraちゃんがブレイクしてたかもしれない的なアレもあって、ね。まぁここにいるみなさんはたぶんわかると思いますが。
そんなこともあって、Airaちゃんの名前を出すときはいつもちょっと半笑いで「でさー、Aira Mitsukiがさぁ~」みたいな、こういうノリで。
先生:
助手のその顔よく見ますよね。中途半端な半笑いというか、ヘラヘラしてるというか。なんだか自虐的な感じもする複雑な笑みです。 本当は好きなのに、意識しすぎて、女の子にかえって意地悪するタイプですね。助手、もっと素直になりましょう。
助手:
や、なんとなく中途半端な半笑いを意識してやったら、妙にぎこちなくなってしまって・・・。って、テキストベースの対談なのに評価を顔で表現するっていうのがそもそも間違えてるんですけど。
今日の助手は変顔をしたり、講師や研修生にキャラを奪われないように必死ですね。 でも、
助手:
うわ!バレました? だって対談者が増えて、なんか自分の立ち居地というか、どういうスタンスでいけばいいのか微妙にわかんなくなってきたんですもん。だからウケるんだったら、どんなキャラにもなりますよ!
・・・というのがまさに自分の中のAira Mitsukiの評価と一緒だったんですよ。どういうキャラで行きたいんだよ、お前っていう。だから、いまは非常に気持ちがよくわかるというか。ともに生き残ろうぜ!っていうか。
先生:
自分の境遇の変化からAiraちゃんのスタンスが理解できるようになった、というわけですね。