テクノポップ/アーティストインタヴュー

坂本先生にインタヴュー

SL@yRe&The Feminine Stoolξのメンバーの一人、神経内科医でもある坂本昌己さんのソロアルバム『ENDOTONES』が8月8日にリリース。アトム・ハート、レイハラカミ氏なども参加!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

坂本昌己博士

SL@yRe&The Feminine Stoolξというかなり覚えにくいユニットとしてインタヴューしたのが、2005年。あれからどうしておられるのだろうと思っていたら、MASAKI SAKAMOTO名義で見事なソロアルバム『ENDOTONES』が8月8日に世に出ます。セニョール・ココナッツとしてYMOファンを唸らせた、アトム・ハート氏など豪華ゲストとのコラボの話等、いろいろ語って頂きました。

amazon.co.jpにあるCDは、ジャケ写からリンクできます。(amazon.co.jpにない場合、海外のamazonや他の通販サイトへ)
ENDOTONES
01. See You
02. Body Fluid V.1 feat.ATOM TM
03. 9018 feat.Co-Fusion
04. Best In Me feat.Yukalicious
05. Pacific
06. Dekiai
07. I Want To Sleeve Paw
08. Infant Lounge
09. Grid
10. Mr. Shouzou Toreishi
11. Lisa
12. Naughty Rollin' v.1 feat.ATOM TM


SL@yRe&The Feminine Stoolξ(All Aboutインタヴュー)

仲が悪くなったのではないです

ガイド:
坂本さん、お久しぶりです。SL@yRe&The Feminine Stoolξとしてインタヴューしたのが約2年前ですね。今回、SL@yReとしてではなく、ソロとして作品を作られた理由は?

坂本:
どうも、こちらこそご無沙汰して恐縮です。2年も経ってしまったのに良く覚えていて下さいましたね。ありがとうございます。

いきなりコアな質問ですね。今回のソロアルバム制作、リリースの経緯をお話しします。SL@yRe&The Feminine Stoolξというユニットは、コーネリアスのリミックスアルバム『PM』を通じて意気投合したKawatoryと結成した、インターネットを使ったオーディオファイル交換だけで楽曲制作することをコンセプトとした「ブロードバンド経由オーディオコラージュインタープレイデュオ」だったわけですが、僕は医者で、相方のKawatoryはシステムエンジニアという本業がそれぞれあり、2年前、ファーストアルバムをリリースした直後からお互いがあまりに多忙になり、休止状態になった次第です。仲が悪くなったとか、お互い興味が薄れたとかいうことじゃないので心配しないで下さい。

そんなこんなで、気持ちとしてはセカンドアルバムを制作したいモチベーションは十分あったんですが、ふたりで出来ないということがわかって「ひとりSL@yRe」としてセカンドアルバムを制作し始めました。2005年12月末から取りかかり、結局全曲完成したのが2007年1月、その後レーベルとリリースの話が具体的に始まった訳ですが、正直、僕一人で作った音楽はどう聞いても「SL@yRe」の音楽には聞こえないし、内心ソロアルバムを作っている気分だったこともあり、結果的に僕個人の色が濃縮された非常にパーソナルなアルバムが出来てしまったので、急遽方針変更、ソロアルバムリリースとなりました。要するに「ひとりでSL@yReのセカンドアルバムを作ろうとして1年以上引き蘢った顛末、非常にパーソナルなソロアルバムが出来た」ということです。冷静に考えてみたらパーソナルな作品になるのも当たり前ですよ。

ガイド:
セニョール・ココナッツのアトム・ハート、レイハラカミ、Co-Fusion、ユカリシャスといった錚々たるアーティストたちとコラボレーションされていますが、最初からコラボレーションをするという想定の下にアルバム製作を開始したのですか?
 
坂本:
SL@yReのファーストアルバム制作中、女性をフィーチャーした歌を作りたくなっていたのは確かで、今作に女性の歌を入れることは最初から決めていたように思います。現にレコーディングはユカリシャスとのコラボ曲から着手していますし。しかし、それ以外は最初に何も決めてませんでした。今回、完全にひとりで作るつもりで1年以上引き蘢っていたとはいえ、その間にアトムさんとコンタクトしたり、ハラカミさんとライブやラジオに出たり、Co-FusionのTaniさんと全然別の仕事でコラボしたりと、ありがたいことにいろいろな接点はあったわけです。そういう中でポロっと曲は出来たりするものなのです。

ピアノはイヤイヤでした

ガイド:
冒頭の「See You」などは、ピアノ色がつよいですね。苗字も同じ教授のピアノ曲とかも思い浮かべてしまいました。坂本さんは、もともとピアニストとして音楽を始められたそうですが、いつ頃から?

坂本:
普通に子供の頃ピアノを習っていました。子供だったのでイヤイヤでしたが。その後、中学で普通にバンドも始めて。大学に入ってからはジャズのセッションに顔を出すようになって、大学の後半は自分のレギュラートリオで仕事もしてました。医者になってから、ほぼ2年間、まるっきり音楽も聴かないしピアノを含めた鍵盤にさわらない時期がありましたが、またなんとかリハビリしてピアノを弾く体に戻しました。だからピアニストとしてのキャリアは途中ブランクがあるものの、20歳くらいからだと思います。

天然コケッコー

ガイド:
「9018 feat. Co-Fusion」はレイハラカミさんが音楽担当をされた映画『天然コケッコー』に提供した「1980」を下地にCo-Fusionとコラボして出来上がった曲ですが、ファンキーなフュージョン色のあるエレクトロニカとでも言いましょうか、とても気に入りました。タイトルからしてもとっても気になるオリジナルの「1980」を聴いてみたくなりました。こちらの発表の予定はないのでしょうか?

坂本:
「1980」ですが、せっかく気に入ってもらったのに残念ですが、現時点で発表の予定はありません。ただ、サブライムのウェブのスタートアップページで一部聞けるようになっています。よかったらこちらからどうぞ。延々とループしています。
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