ゼビウス
|
VIDEO GAME MUSIC |
話をYMOに戻しましょう。その2年後にリリースされたのが、細野晴臣が監修を務め、アルファ・レコードからリリースされた『VIDEO GAME MUSIC』(1984年)です。これが、たぶん日本初のゲーム音楽・アルバムでしょう。ナムコのゲーム音楽を集めたもので、当然「PAC-MAN」も収録されています。中途半端な歌ものではなく、オリジナルのゲーム音楽を細野アレンジによってアルバム化するという点で『PAC-MAC FEVER』とは全く異質なものです。ゲーム音楽の歴史的意義を考えると、こちらに軍配が上がります。当時のナムコの勢いというのも感じますね。
|
SUPER XEVIOUS |
このアルバムは、細野が縦スクロールシューティングゲームの「ゼビウス」のファンであり、ナムコに見学に行き、ゲームデザイナーの遠藤雅伸と出会ったことから始まったみたいです。ノリで作った12インチ『SUPER XEVIOUS』(1984年)では、ゲーム音楽が当時使われ始めたサンプラーで、エレクトロ化します。当時一番新しい音に挑戦していたThe Art Of Noiseや同年にリリースされた細野のソロ『S・F・X』にも通じるサウンドです。
|
NAMCO TRILOGY BOX |
なお、この12インチは、『\EN BOX』としてリリースされた際、CD化された『VIDEO GAME MUSIC』のボーナスとしても追加されました。その後、2001年には、「GAME SOUND LEGENDS」のシリーズとして『VIDEO GAME MUSIC』『SUPER XEVIOUS』『THE RETURN OF VIDEO GAME MUSIC』(こちらは細野の参加ではない)がCD化リリースされています。この三枚を収納するための「NAMCO TRILOGY BOX」というのも付いて来ました。
|
スーパー・ゼビウス(ハード・コア・ミックス) |
なお、『SUPER XEVIOUS』には、ボーナストラックとして「SUPER XEVIOUS(Gust Notch Mix)」が収録されています。このボーナスは、元々は\ENの宣伝用特別レコードとして「ハード・コア・ミックス」と呼ばれていたものです。
今や、一つのジャンルを形成したゲーム音楽ですが、YMOはこんな所にもパイオニアとしての多大な功績を残しています。また、近年ブームを起こしているチップチューンというのもこの流れにいると言っていいでしょう。チップチューンについてはまた改めて、書いてみたいと思います。