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TECHNOBOYS改めT.P.G.-FUND(2ページ目)

YMOの遺伝子を持ったTECHNOBOYSが更に発展。11月17日にデビュー・アルバム『music laundering』をリリースする、T.P.G.-FUNDのメンバーにインタヴュー!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

予想外のT.P.G.-FUND

T.P.G.-FUND
――2005年9月のTECHNOBOYSの解散ライヴを見れたのは良かったです。ただ、そこでTECHNOBOYS PULCRUFT GREEN-FUNDの結成を知らされたのはまるで予想外でしたが・・・・ 合併されたんですよね。

藤村:僕も予想外でした(笑)。ただ、先程石川が言ったように、このあたりから皆が楽曲制作にPRO TOOLSを導入したことなどによって、機材に対するストレスが減り、曲質やアレンジにも影響が顕著に表れ始めたので、何かを変えるにはこのタイミングしかなかったのかもしれません。そのシンボリックなものが、TECHNOBOYSの解散であり、PULCRAFTとの合併だったんです。

――しかも、基金(FUND)によって運営されている。どのように基金を募られているんでしょうか?

松井:現在は、僕らの存在をアピールする段階ですので、実際に基金を募っているわけではないのですが、将来的には作品のコンセプトをあらゆる媒体を通じてプレゼンし、その具現化のための資金を個人・団体に関わらず募る予定です。そうして完成した作品で得た利益を使用権・配当などといった、契約に応じた形で分配するという…まあ、大まかにいえば、作品ごとに株主を募るようなものですね。その作品も音楽だけとは限らないのがT.P.G.-FUNDというユニットの活動と捉えてください。

ついにアルバムリリース!

――では、11月17日にリリース予定のデビュー・アルバム『music laundering』についてお伺いします。とても好きな音です。「Wardrobe」のイントロとか聴いていると、ゾクッとします。やっぱり、同じ物が刷り込まれているなぁーと。TECHNOBOYS的な部分も継承されていると思いますが、とても楽曲に幅がありますね。「Lost」を聴いていると、懐かしい東洋的な部分と今のエレクトロニカな部分の融合が心地よいです。

music laundering
01. Theme Of T.P.G.-FUND
02. Cold Water
03. Wardrobe
04. Lost
05. Wait It
06. Do You Know Your Neighbor's Face?
07. Spiral Cave
08. Karma
09. Amoeba
10. Spacemen
11. Postman
12. Dendrobium
13. Lost Laundering By Claude Young + Takasinakajima


石川:最近ラップトップPCだけでライヴをやっているのをよく見かけるのですが、それがどうも僕は気に入らなくて。どうせライヴもしないといけないんだから生を大事にしていきたいなと。
リズムにしてもウワものにしても。で、 『music laundering』のラインナップが出てきた時に、これはちょっと解りにくい生の感じになるなと危惧しまして、解りやすい生をやったのが「Wardrobe」ですね。イントロとサビのモチーフは最後まで出来てなくて…付け加えた感触がまだ僕には残っています。

「Lost」に関しては、最初に変則的な譜割を決めていました。12拍のコードと4拍のリズム。東洋的な部分は僕の悪い癖が出てしまったためです。「展覧会の絵」になってしまったのは後から気付いて、まあいいやと。エレクトロニカの部分は藤村が出す音にYESとNOでバシバシ決め射ちでした。実は、ドラムはサンプラーの音ですが、生で叩いているんです。

――「Postman」などは、東京にいるTalking Heads的なファンキーさが伝わります。

松井:伝わっちゃいますか(笑)。こういった曲が収録されているのもT.P.G.-FUNDの『幅』と考えていただければ。実際、Talking Headsのような知性と熱とを同時に感じさせる感性とバランス感 覚は、僕らのように様々な『幅』を持とうとするアーティストにとっては重要なファクターだと考えています。東京という街は、良い意味でも悪い意味でもそれを感じさせてくれますよね。叫びたくもなりますよ。

――TECHNOBOYS時代だけでもかなりの楽曲を既に作られていたようですが、今回のレコーディングに際して、TECHNOBOYS時代の作品も混ざっているのでしょうか?

藤村:はい。半分くらいは、そうですね。9曲目の「amoeba」などは、僕が大学生の時に作った曲ですから、もう10年以上も前になります。しかし、今回のアレンジでは、ほぼその原形をとどめなくなってしまいましたが…
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