その後、戸川京子は2枚のフル・アルバムをリリースしていますが、僕は所有していません。彼女が亡くなった夜、ケロッグ博士からメールがありました。そのメールには、この2枚のアルバムのジャケ写を添付して「今夜はコレを朝まで聞きましょう。」とのメッセージが。そこで、ケロッグ博士に語ってもらいました。
NHKスペシャル、たしか映像の世紀か何かのテーマが何かに似てたなぁ~ってずっと思っていたのですが、久々に聞き返して『涙』の一曲目『LISA』のイントロだと気がついた。当時、戸川純フリークだったので興味本位で買ってしまったと言うのが正直な所の動機。
2枚のアルバム、『涙』(1988年)、『O'can』(1989年)とも一通り流行をパッケージしたって感じの盛りだくさんな印象です。『O'can』の方は、完成度は高いんだけどかえって凡庸な感じ。
やっぱり彼女を一言で言うなら、『動物園の鰐』に尽きるでしょう。だいたいそれしか聴いてなかったし...。それが入ってる分 『涙』 はお勧め。これがいわゆる大貫妙子の『カイエ』あたりで教授がやってそうな(未だに私がやってる)典型的な“あの”サウンド。製作がゴリゴリのDX7サウンド全盛の1988年頃だから、今思うとちょっと時代遅れだったのか...それともスタイリッシュな彼女の印象とテクノ(エレポップ)を融合させた新しいイメージを模索していたのか...。
以上、ケロッグ博士のコメントでした。