――同じ月には、アルバム『ロマンチック』がリリースされますね。これまでのシングルとこのアルバムでは、栗コーダーカルテットの栗原正己さんが共同プロデューサーと編曲者として、参加されていますね。栗原さんとは、どのようなご縁で一緒にされるようになったのでしょうか?
栗原さんも当時ヤマハで仕事をなさっていて、一緒にデモテープを作ったり演奏したりしていただきました。栗原さんの音楽センスもとてもすきだったし、いつも変にかわいい模様の服を着ていらっしゃいました(これは関係ないですね)。まあそんなかんじだったので、アルバムを作ることになった時もお願いしたのです。
――日本のテクノ~ニューウェイヴの隠れた名盤とよべる『ロマンチック』ですが、ムーンライダーズの名盤『マニア・マニエラ』にも地続きな感じの『地下水道を走れ!』、ニューウェイヴ化したビートルズの『オクトパス・ガーデン』と言いたくなる『東京オクトパス』、あがた森魚さんの妹分としての『海百合の庭園で』と、ポップマニアには堪えられない濃い内容です。(比喩が的外れだったらお許しを)これを聴いていると、「この人、同じような音楽を聴いていたに違いない。」妙な確信が沸きます。自ら、「80年代ニューウェイヴ残党」と称されるRIKAさんとテクノ~ニューウェイヴの出会いについて教えてください。
ヒカシュー、ゲルニカ、プラスチックスなどが流行った時代。なんかこうよくわからんけど、うわーこれだ!(笑)とおもいました。で、Virgin VSを追っかけたりしてたわけです。そして自分でも機材を買い込み、多重録音に没頭しました。単音シンセ(SH-2)とリズムボックス(DR.リズム)がお友達。毎日ピコピコしていました。手弾きですから音がズレるんです。でも気にしない。手工芸テクノだから。洋楽もいろいろ聴きましたけれど、トータルアルバムとしてはやはりバグルズの『プラスチックの中の未来』の衝撃が大きかったです。これはねえ。いいですよね。
【激しく同意!】
――1987年6月には、ムーンライダーズのかしぶち哲郎さんを編曲者に迎えて、シングル『アルファベット』をリリースされましたが、さりげなく裏ムーンライダーズ的マニアックな作品ですね。かしぶちさんとは、どのようなご縁だったのでしょうか?
わたしも当時のディレクター氏もムーンライダーズのファンだったという単純な理由からアレンジをお願いしました。わたしは特にかしぶちさんの『リラのホテル』というアルバムがすきだったのです。微妙に歪んだシャイなロマンチシズムが心地よいので。