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読書のススメ~Part 3 クラフトワーク・ロボット時代(2ページ目)

クラフトワーク(ドイツ)、Buggles(イギリス)、Devo(アメリカ)、YMO(日本)は、世界の四大テクノ・グループと僕は勝手に呼んでいます。今回は、テクノの発祥の地、ドイツから生まれた元祖テクノ、クラフトワークについて。元クラフトワークのヴォルフガングが、著書『クラフトワーク・ロボット時代』で暴走!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

ちょっと一貫性がないスタンス、辞めたバンドに対する文句、俺はもてるんだ的好事話等を批判される方もおられると思いますが、好意的な見方をすれば、ヴォルフガングのグルーピー話は、ラルフ&フローリアンが作り上げようとした(株)クラフトワークの保守的なコーポレート・イメージに対する、「俺は、ロボットではないのだ!」というメッセージを込めた伊達男の反逆とも読み取れます。

「ここまで言っちゃていいの?」という発言もあるわけで、読み手としては娯楽的に3,500円払った甲斐があるわけです。ヴォルフガングは、日本料理が好きでなかった(過去形)ようですが、日本はお気に入りのようで、日本の女性やYMOに対しても好印象を持っているわけです。

そう言えば、元ピチカート・ファイヴの野宮真貴著『スター・ストラック』で、とても気になる文章がありましたので引用します。

「……ウォルフガングとレコーディングする。彼の曲に急遽日本語の歌詞をつけることになってしまった。できるのかな?いい曲だけど、まるで昔のフィルムスみたい」

そう、僕が反応してしまったのは、フィルムスです。フィルムスについては語りだすと長いので、また機を改めて。これは、2001年にリリース予定のYAMOのセカンド・アルバムに収録されるのだろうか? 期待してます。

僕自身が最初に買ったクラフトワークのレコードは、1978年にリリースされた『THE MAN MACHINE(人間解体)』です。いわゆる、“赤と黒のロシア構成主義”的ジャケです。「テクノなジャケは、こうでなきゃね!」という模範です。シングル・カット曲『The Model』は、ヒカシュー、Snakefinger、Robert(フランスのセクシー・ウイスパー系の“ロベール”)、そして最近では、Les Rythme DigitalesのJacque Lu Cuntの結成したZoot Womanなどがカヴァーしています。

このカテゴリーのテーマでもある、『テクノポップ』。クラフトワークはどうやら、『ロボット・ポップ』という言葉を提唱していたみたいでしたが、現時点での最新オリジナル・アルバムである86年の『Electric Cafe』にて『テクノポップ(Techno Pop)』(元々は83年に『Techno Pop』というタイトルでアルバムがリリースされるはずだった)という曲を収録しました。Bugglesが80年にリリースしたシングル『Clean Clean』のB面は『Technopop』という曲でした。さて、次のアルバム、せめて『EXPO』に続くシングルはいつ出るのでしょうか? あまり、期待しないで待ちましょう。
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