“日本はもっとも大切な場所”と言い続けてきたMR.BIG。その言葉の通り、今年2月に再結成を発表したのも日本だったし、再結成後初のツアーも日本からスタートした。全国を縦断して行われたこのツアーの中で、ライヴ収録が行われた6月20日、日本武道館の公演を見ることができた。熱狂に包まれたライヴのレポートをお届けする。

代表的ナンバーで冒頭から沸騰の客席


多くの国内のミュージシャンにとって、日本武道館といえばライヴの聖地とも言うべき特別な想いのある場所。それは海外でも同じで、武道館を同じように特別な場所と考えるミュージシャンは多い。チープトリックやディープ・パープルなど多くのビッグネームが“ブドーカン”でのライヴアルバムをリリースしていて、そのいずれもが名盤になっているからだろう。MR.BIGもそんな70年代のロックスターの影響を大きく受けたバンド。だからこそ、再結成後初のツアーに武道館公演を組み込んで、なおかつその日のライヴを収録してCDとDVDを発売することにしたのだろう。

ネクスト・タイム・アラウンド
MR.BIG最新のベスト盤『ネクスト・タイム・アラウンド』
巨大なアリーナがいくつも作られた今では、武道館はそれほど大きな会場ではない。だからこの日の武道館は早くから超満員。アリーナ、一階席はもちろん、ニ階席も天井近くの最上段まで、しかも、あんなところから見えるのか?と心配になるようなステージ斜め後ろ側までびっしりとオーディエンスで埋め尽くされていた。その満員の客席は、最初の曲のイントロで一気に沸騰した。1曲目が「Daddy, Brother, Lover, Little Boy」、いわゆる“ドリル・ソング”、MR.BIGのトレードマークとも言えるナンバーだったからだ。

このツアーに先だってリリースされていたベスト盤にしてもそうだが、ファンの望んでいることに応えるのがMR.BIGのいいところだろう。口の悪いロックファンからは、お金目的の再結成とツアーだなんて陰口もたたかれたようだが、聴きたい、見たいというファンが大勢いるのだから、それに応えるのは当然といえる。ファンの望むことをきっちりやってのけるのもプロなのだ。

いずれにせよ、「Daddy, Brother, Lover, Little Boy」から始まったことで、MR.BIGはそこにいた1万数千人の気持ちをいきなりガッチリとつかんでしまった。そして立て続けに「Take Cover」、「Green-Tinted Sixties Mind」、「Alive And Kickin'」と代表的なナンバーをプレイしたものだから、冒頭のたった十数分で、“今日ここに来てよかった”と感動してしまった人も多かったハズ。このあたりはライヴバンドとして本当にうまいところだ。