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男の宝塚を描いた『宝塚BOYS』

女性だけの劇団「宝塚歌劇団」に、かつて男子部があったのをご存知ですか? 『宝塚BOYS』は、史実に基づき、9年間だけ存在した宝塚男子部をフィーチャーした、おかしく、そしてほろ苦い青春グラフティーです。

執筆者:長谷川 あや

かつて、宝塚に男子部があった!
史実にもとづいたストーリー

裸の王様
落語、ミュージカル、映画と物語同様、さまざまなフィールドで活躍中の個性的俳優たちの競演もみどころ
かつて、あの宝塚に男子部があった! 男の宝塚をフィーチャーした、辻則彦著の「男たちの宝塚~夢を追った研究生の半世紀」を舞台化。戦後という時代と女性たちに翻弄されながらも、宝塚大劇場に立つために、懸命にがんばったおかしくて、哀しい男たちの青春グラフティです。

女性だけの劇団として、今や世界的にも有名な「宝塚歌劇団」。その90年にもおよぶ歴史の中で、かつて男子部があったことはほとんど知られていません。宝塚歌劇団は、1945年に男子部を特設。以来、9年間で、4回にわたって男性を募集し、25人ほどが合格しますが、1954年3月には、女子生徒やファンからの反発もあり、「男子部」は解散します。

『宝塚BOYS』は、実話をもとに、たった9年間だけ存在した「男子部」をフィーチャーした舞台。育ちも境遇も異なる男たちが、「宝塚大劇場」出演に向け、懸命に突き進む姿を時にコミカルに、時に切なく描き出します。

個性派俳優がそろいぶみ

裸の王様
宝塚大劇場出演を目指し、時にはぶつかりあいながら毎日レッスンに励む7人だったが、ついにその夢は叶うことはなかった
キャストには、テレビドラマ、ミュージカル、落語界と、様々なフィールドで活躍中の個性的な面々が集まりました。前述したように、今回の舞台は実際にあった話に基づいたものですが、脚本の中島淳彦は、「男子生徒」を演じる7人それぞれと話し、なかばアテ書きのように、各役者の個性を尊重して脚本を書いたそう。「そんな関係性も楽しんでいただきたいですね」(葛山信吾)。「青さ、弱さ、強さ。人間のもろいところを見てほしい」と語るのは、落語家の柳家花緑。花緑は、舞台でピアノの演奏も披露します。
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