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劇団四季『エビータ』公開舞台稽古レポート

7月26日の開幕を翌日に控えた25日、東京・浜松町のJR東日本アートセンター/四季劇場〔秋〕で、劇団四季のミュージカル『エビータ』の公開舞台稽古が行われました。

執筆者:長谷川 あや

ゴールデンコンビが生み出した「音楽の宝石箱」

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音楽はもちろん、群舞も大迫力です

ここ数年、相次いでミュージカル作品が映画化されていますが、『エビータ』も、現在のミュージカル映画ブームの前の1997年、マドンナの主演で映画化されています(ガイドもDVDを購入し、たびたびBGMにしています)。
『エビータ』の音楽を手がけたのは、『キャッツ』や『オペラ座の怪人』などでおなじみのアンドリュー・ロイド=ウェバー。作詞は、『ライオンキング』や『アイーダ』などのヒットメーカーであるティム・ライスが担当しています。現在のミュージカル界をリードする2人は、この作品を最後に、お互い別の道を歩き始めることになりました。この『エビータ』が、ミュージカル界のゴールデンコンビが共同で手がけた最後の作品となったのです。
ロイド=ウェバーの作品というと、『キャッツ』や『オペラ座の怪人』をあげる方が多いですが、『エビータ』は、その音楽性の多彩さから、ミュージカルファンに高い支持を受けている作品です。ミリオンセラーとなった名曲「アルゼンチンよ泣かないで」をはじめ、作品の舞台である南米のラテン系リズム、70年代ポップス、クラシック、宗教音楽、タンゴなど、あらゆる要素を盛り込んだ、まさに「音楽の宝石箱」です。

野心に生きた女性の鮮烈な人生

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野心を胸に抱き、エビータ(井上智恵)は15歳で、ブエノスアイレスに出てきます
このミュージカルは、タイトルにもなっている「エビータ」の愛称で親しまれた、アルゼンチンのファーストレディ、エバ・ペロン(1919~1952)の短くも激しい人生を描いたものです。
アルゼンチンの片田舎の貧しい家庭に、私生児として生まれたエバは、野心と美貌を武器に、次々と男たちを踏み台にしながらのし上がっていきます。やがて、自分と同じ野心を抱いた陸軍大佐ホアン・ペロンと出逢い、結婚。26歳という若さで、ファーストレディーに上り詰め、富と権力を手にしたエバは自らも政治を手がけるようになりますが、病に倒れ、33歳の若さで短い生涯を終えます。
貧しい人々からは「聖母」をあがめられ、他方では国を私物化したと非難を浴びた実在の女性の生き様を多彩な音楽で彩っていきます。


次ページでは、今回の舞台稽古の様子をレポートします。
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