2004年度の栄誉あるエミー賞に、彼が手がけた『ER 緊急救命室』『ザ ホワイトハウス』『サード ウォッチ』は、トータルで203部門にノミネートされ、うち46つの部門で受賞を果たすという快挙を成し遂げました。
彼の手がける作品がヒットするのはなぜか?その魅力とは何なのでしょうか。
最高級コラボレーション『ER 緊急救命室』
アメリカ・シカゴの緊急救命室を舞台に、勤務する医師たちの人間模様を描くスピード感溢れるリアリティー系ヒューマン・ドラマ『ER 緊急救命室』 |
あのスティーヴン・スピルバーグの制作会社であるアンブリンと、映画『ジュラシック パーク』の原作を手がけた作家マイケル・クライトン、そしてエグゼキュティブ・プロデューサーのジョン・ウェルズ。彼らが手がけた『ER』は、過去に例のないスピーディーでリアルなヒューマン・ドラマへと仕上がり、世に送り出されたのです。
1982年に南カリフォルニア大学のSchool of Cinema Televisionを卒業したジョン・ウェルズの出世作となった『ER』。
これまでも病院を舞台にしたテレビドラマは数多くありましたが、ここまでリアルに描かれたものはなく、実際に活躍しているERのドクター達が番組の出来に舌を巻いたほどでした。
ジョン・ウェルズは、出演俳優や女優から厚い信頼を得ていると言われており、ダグ・ロス役のジョージ・クルーニーが降板を決心した時も相談にのったと言われています。そして、番組はジョージ・クルーニーが降板する1年も前から、彼の降板に向けてストーリーを作成し展開させていったのです。
また、ERで出演した俳優を別のドラマの主役などに抜擢するなど、製作総指揮として彼の目は確かなものだと言われています。
豪華ずくめの『ザ ホワイトハウス』
『ザ ホワイトハウス』というタイトル通り、ドラマのテーマはアメリカのホワイトハウス。英語のタイトルは『West Wing』で、大統領の執務室のあるホワイトハウスの西棟を指しており、ドラマのストーリーは、大統領とその側近らが働いている姿を描いたものとなっています。『ER』同様、そのリアルさが大きな話題を呼んだ『ザ ホワイトハウス』では、セットも本物同様に作られ、大統領や、その側近の役割など明確に描かれており、このドラマを見て以来、政治ニュースを見るのが面白くなったという視聴者も居るほどです。
日本でも人気が出始めている『サードウォッチ』もジョン・ウェルズ制作ドラマ。詳しくは次ページへ>>