映画を作るお金を集めるために一般家庭で予告編上映
『死霊のはらわた』を作るためにサム・ライミ監督は電話をかけ、一般家庭で予告編を上映し、製作資金を集めた。 |
一般人が映画監督になるには、脚本を書き誰かに送り、それが評価され映画が作られるというイメージがありますが、必ずしもそうではありません。
サム・ライミ監督が、最初の映画『死霊のはらわた』を作るためにやったのは、普通の家庭に乗り込んで刺激的な予告編を見せて、資金を集めるゲリラ的手法でした。
当時のホラーなどのジャンル映画を作る若者の間では有名な部分的共同製作(パートナーシップ)で、元はブロードウェイなどのプロデューサーがとる手法を映画作りに生かしているそうです。
サム・ライミ監督に手法を教えられ、コーエン兄弟が始めての映画『ブラッド・シンプル』を作るためにとったのも同じ方法。電話マーケティングと同じように、電話帳で調べお金を持っていそうな地元の経営者の家に電話をかけるのです。
その場合、お金儲けの手段としての案内ではなく、「10分間いただければ、お宅で映画を見ていただけます」という方が効果的だととサム・ライミ監督はアドバイスしたそうです。
細かなお金を広く集め、最初の映画を作り、映画祭に出して注目を集め、プロの監督へとステップ・アップしたのです。
評価されるためのサンダンス映画祭
『エル・マリアッチ』を作るためにロバート・ロドリゲス監督は新薬臨床試験でバイト代を稼いだ。 |
『チェイシング・エイミー』、『ドグマ』のケヴィン・スミス監督は、コンビニ店員ながらクレジットカードを山ほど作り、自分でお金を借りて最初の映画『クラークス』を作りました。
彼らに共通しているのが、サンダンス映画祭で評価を集めてプロの監督になったということ。サンダンス映画祭に映画を出すのは簡単ではありませんが、その前にもっと小さな映画祭で、とりあえず上映だけでもして、ファンを作ることも方法のひとつのようです。
日本の場合、新進監督を多数輩出しているのが『ぴあフィルムフェスティバル』です。公開中の映画『Sweet Rain死神の精度』の筧昌也監督も、この映画祭出身。
映画が大好きで、自分の個性を生かした映画を作れれば、世界各地で行われている映画祭出品をきっかけに、監督への道を歩むのは、決して難しいことではないのかもしれませんね。
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