ロハスな映画で心をリセット
『ホワイト・プラネット』は北極の姿を描くドキュメンタリー映画。地球に優しいロハスな映画。 |
映画には、大きく分けて二つの種類があると思います。ひとつめはアクションやサスペンスのように、展開が速くて謎が多く、先がどうなるか気になってしょうがないタイプ。もうひとつは、見ている間が至福の時間で、いつまでも見ていたいと思うような映画。
普通に考えると、ロハスでスローなのは後者です。時間がゆっくりと経っていきます。見終わったときには、自分が違う人間になっているんじゃないかと錯覚さえ感じます。
ですが、映画は一筋縄ではいきません。展開が速いアクション満載の映画でも、もう一度見てみると、違う楽しみを見つけることもできます。俳優の演技の深み、脚本の妙、お金をかけているセット等、見れば見るほど楽しくなるのが人気映画です。
どんな映画でも、見終わった後には新鮮な感じを与えてくれますよね。そこにロハス的なものがあると思います。映画を見るという行為自体が、忙しくしている日頃の自分に、一度ストップをかけて、立ち止まる機会を与えてくれるって思いませんか?
邦画はスローでロハス?
『ジョゼと虎と魚たち』は、些細なところにみごたえがある。 |
日本には、スローで心地よい時間を与えてくれる映画がたくさんあると思います。「間」を大切にする文化の影響でしょうか? 小津安二郎監督の映画はそうですよね。
邦画での、時間と空間の扱い方は、ほかの国の映画のものとは異質のように感じます。例えば、『解夏』、『ジョゼと虎と魚たち』のような映画。大きな出来事はあまり起きませんが、些細な日常が丁寧に描かれています。見終わった時には、スリリングでサスペンスフルな映画以上に、洗われたようなさわやかさを感じさせられます。
個人的に、見ている時間の至福度が一番高かったと感じるのは、残念ながら邦画ではなく、『きみに読む物語』でした。アメリカ南部の田舎町の自然が印象的で、主人公ノアのシンプルなあり方が、とてもよかったと思います。みなさんは、いかがですか? いつまでも見ていたいと思う映画は、どんな映画でしたか?
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