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映画『私のちいさなピアニスト』(2ページ目)

韓国でヒットした音楽映画、『私のちいさなピアニスト』。クォン・ヒョンジン監督と、ミン・ジンギプロデューサーに撮影エピソードなどを伺いました。

執筆者:桑畑 優香

「心を分かち合うことの大切さを伝えたい」

本作が長編デビューとなったクォン・ヒョンジン監督
オム・ジョンファが母性を上手く表現していますが、監督自身の母親に対する気持ちを描いた部分もあるのでしょうか。また、オム・ジョンファにはどのように演出アドバイスをしましたか。

クォン・ヒョンジン監督:
私自身の母に対する思い入れを描いたわけでは特にありません(笑)。また、オム・ジョンファには、特に演出した部分はありませんでした。彼女がもともと持っている長所を上手く発揮してもらえればいいなとおもっていたので、あまり口出ししませんでした。オム・ジョンファは、以前あるテレビ番組の企画で母親の疑似体験をしたことがあるという話をしていました。養護施設にいる子どもを一時的に預かるというものです。まさに今回のストーリーと通じるものがあり、彼女は「あの時に感じた気持ちがあるので、ジスの気持ちが分かるような気がする」と言っていました。

ミン・ジンギプロデューサー:
子役のシン・ウィジェもオム・ジョンファがとても気に入っていました。撮影中に仲が深まり、オム・ジョンファも母性が出てきたようです。ふたりが別れるシーンにはもう、大泣きでした。撮影が終了した日には、ふたりで抱き合って号泣していますね。その日は打上げの日だったのですが、ウィジェは泣きすぎて疲れて眠ってしまい、打上げに参加することができなかったほどです(笑)。

――夢を失ったジスと、母親を失ったキョンミンというふたりを描いています。この2人を描くにあたって、観客たちに伝えたかったことは何ですか。

クォン・ヒョンジン監督:
あのふたりが出会うことによってお互いもう一度夢を持ったり、心を分かち合うことを伝えたいと思いました。人が誰かを愛する気持ち、それが上手く伝わればと考えながら演出していました。

映画『私のちいさなピアニスト』

ジス(オム・ジョンファ)とミンジェ(シン・ウィジェ)の出会いと別れが胸を打つ
――20世紀を代表するウクライナ出身の名ピアニスト、ウラディミール・ホロヴィッツをこよなく愛する、落ちこぼれピアノ教師のジス。近所に暮らすわんぱく盛りの孤児キョンミンが‘絶対音感’の持ち主であることを知った彼女は、キョンミンをコンクールで優勝させることで、ピアノ教師としての名声を獲得しようと一計を案じるのだった。
純粋にピアノが大好きで、鍵盤を叩くことに夢中なキョンミンを、時に厳格に、時に親身になって指導するジス。やがて当初の打算を超えて、この孤独な師弟は思いがけない母と息子のような絆で結ばれてゆく。
そしてコンクール当日。意気揚々と壇上に立ったキョンミンだが、その時過去のトラウマがフラッシュバックし、あえなく棄権してしまう。そんな痛切な挫折を乗り越えて、ふたりが育む無私の愛、そして将来の夢とは――?

映画『私のちいさなピアニスト』公式ホームページ
8月25日(土)より、シネカノン有楽町などで上映中!

クォン・ヒョンジン監督プロフィール

1964年生まれ。世宗大学英文科を経て、94年に東国大学映画科大学院を卒業。89年に、ユ・ヨンジン監督の『ウォーターワールド』に助監督として参加し、その後、カン・ウソク監督の『俺は毎日立ち上がる』(90)、オム・ジョンファの映画初主演作となったユ・ハ監督の『風吹く日には狎鴎亭洞に行かなきゃ』(92)の助監督を務める。92年から99年にかけて、200本以上のミュージックビデオの演出を手がけ、01年にインターネット映画『MOB 2025』を監督。本作『私のちいさなピアニスト』(06)で、長編劇映画デビューを果たした。
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