ドラマ『春のワルツ』や『冬のソナタ』、映画『オールド・ボーイ』など数々の名作に音楽を提供しているイ・ジス。25歳という若さでありながら、いまや韓国を代表する作曲家のひとりです。四季シリーズを撮ったユン・ソクホ監督からも絶大な信頼を得ているイ・ジスに単独インタビュー、その才能の秘密に迫りました。

きっかけは「ヨン様の手」の代役だった

ソ・ドヨンとは大の親友というイ・ジス
ガイド:
ユン・ソクホ監督の作品に多数の曲を提供してきていますが、監督とともに仕事をするようになったきっかけを教えてください。

イ・ジス:
『冬のソナタ』に参加したことがきっかけで、監督ととても親しくなりました。お互いのスタイルをよく知っているので、以後一緒にお仕事させていただいています。『冬のソナタ』のときは、僕はまだ大学生でした。(ペ・ヨンジュンが)ピアノを弾くときの手の代役をするアルバイトの話を大学の先輩から持ちかけられ、次の日撮影現場に行ったのです。声がかかったのは偶然でした。普通だったら手の代役のアルバイトだけ済ませて終わりなのですが、僕は自分から撮影を成功させるためにはどうしたらよいかアイディアを出したり、「こんな曲はどうですか」とその場でひいてみたりしたのです。その時に弾いたのが「初めて」という曲で、後に『冬のソナタ』の挿入曲に採用されました。それがきっかけで『夏の香り』などにも参加させていただきました。

ガイド:
では、『春のワルツ』を制作するということも、早い時期からご存知だったのですか。

イ・ジス:
そうですね。『春のワルツ』を作るという話はだいぶ前から聞いていました。主人公は音楽家にするということでしたが、ピアニストにするかチェロリストにするか、監督は悩んでいたようです。

ガイド:
その際に、イ・ジスさんは監督に何かアドバイスをしましたか。

イ・ジス:
ピアニストがいいですよ、と(笑)。チェロリストが主人公だと、代役をするのも技術的に難しくなりますし、オーケストラなども必要になりますからね。ピアノだったら一人で演奏できますし、代役も簡単です。『春のワルツ』では4曲を提供しました。

ガイド:
『春のワルツ』では「クレメンタイン」という曲が印象的に使われていますよね。

イ・ジス:
「クレメンタイン」を選んだのは、ユン・ソクホ監督です。日本では「雪山賛歌」として知られていますが、韓国では島や海を歌った歌なので、ドラマに合っていると思ったようです。

次ページでは、曲を作る時のエピソードを語ります。