チェハのモデルはイ・ジスだった!?
イ・ジスは、チェハと自分の共通点は「感受性が豊かであること」だという |
ソ・ドヨンさんとはとても仲が良いと伺っています。
イ・ジス:
彼とは年が同じなんです。『春のワルツ』で初めて一緒に仕事をしたのですが、前から共通の友人を通じて名前は聞いていました。これまで現場では年上の人と仕事をすることが多かったので、同い年の彼と一緒になれてうれしかったですね。音楽家を演じるにあたって、撮影現場でソ・ドヨンは僕にいろいろ質問をしてきました。「ジスさんは、どんな気持ちで作曲をしているのですか」とか「ピアノは何を考えながら弾いているのですか」とかね。マジメなんです(笑)。最初はピアノもぜんぜん弾けなかったのですが、とても上手になりました。
ガイド:
ソ・ドヨンさんは、本当にマジメそうですよね。
イ・ジス:
ええ、一生懸命で、純粋な人です。
ガイド:
ひょっとして『春のワルツ』のチェハのモデルはイ・ジスさんではないかと思ったりもするのですが。
イ・ジス:
そうですよ(笑)いや、職業が同じという意味で、ですよ。でも本当に似ているところもあります。純粋なところ、そして感動を受けやすいところ。作曲家というのは、「感じる」ことできるというのが大切なのです。
手の代役のアルバイトからドラマや映画の作曲家に短期間のうちに成長を遂げたイ・ジス。イ・ジスの話を聞きながら、ユン・ソクホ監督が彼に何度も仕事を頼む理由が分かったような気がしました。一つのストーリーを読みながら、同じ色やイメージを持つことができる感性を監督は信頼しているのだと思います。また、ソ・ドヨンとは本当に仲の良い友達だということが、言葉の端々から伝わってきました。インタビューをしたのは4月28日に行われた「ソ・ドヨントークショー」の後だったのですが、この日、ソ・ドヨンはステージでサプライズのバースデーパーティーに思わず涙を流しました。イ・ジスはそんな彼を見て「泣くと思った」と感想を語りました。「ソ・ドヨンは純粋な人。あの涙は演技ではなく、本物です」と話していたのが印象的でした。目標としてあげたのは、エンリオ・モリコーネ。韓国発世界へ。若き天才のさらなる成長が楽しみです。
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