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韓国家族の肖像『ショッキングファミリー』(3ページ目)

ドラマや映画に登場する韓国の家庭。日本とは似て非なる家族の今に切り込んだドキュメンタリー『ショッキングファミリー』の監督にインタビューをしました。

執筆者:桑畑 優香

話し合い、行動するきっかけに

ガイド:
監督自身の生活を捉えた撮影テープは、3年間で400本を越えたそうですね。中には、監督と娘、スリムの親子ゲンカの様子も出てきます。

キョンスン監督:
テープを見ると、それぞれ思い出がよみがえってきて、自分自身で学ぶことがたくさんありましたね。撮影を始めるとカメラは被写体の良いところばかりを映し出したりもします。今回は自分自身を映していたため、娘とのケンカや、腹が立ったときなどに、わざと自分にカメラを向けてみるようにしていました。

ガイド:
娘さんもとても自然体でカメラと向き合っているのが印象的でした。

キョンスン監督:
娘は最初からカメラを意識することはありません。まだ言葉も話せない幼い頃から、母親がずっとカメラを向けていましたからね(笑)。でも、小学生になり、6年生になり……と成長するにつれ、撮られるのが嫌だというときもありました。私ではなく、スタッフがカメラを向けると嫌がるのです。そこで、スタッフの一人が「どうして私が撮ると嫌なのに、お母さんだと平気なの?」と聞きました。すると娘は「ママは信じているから」と。その場面のテープをプレビューしていたときには、目頭が熱くなりましたね。いつもは私と娘はケンカばかりしているのに。

ガイド:
この映画を通じて、監督が日本の人たちに伝えたいメッセージは何ですか?

キョンスン監督:
心を開いて、正直な気持ちで見てもらえれば、と思います。韓国での話しだと思わずに、同じように大変な思いをしている女性たちのことだと。男性も自らを振り返るきっかけになるといいですね。自分だけの問題ではないんだ、と皆が話し合い行動へとつなげる機会になれば良いと思います。

映画『ショッキングファミリー』

韓国で長く法律に定められていた戸主制度の廃止など変化する社会の中で、揺れ動く家族たち。自立を求めて新しい価値観に挑戦する女性たちとその家族を、時にはシビアに、時にはユーモラスに描く。海外養子制度や受験戦争など社会問題も交えたドキュメンタリー。オクラン賞受賞作品。2006年東京国際女性映画際上映作品。
2006年/110分

キョンスン監督プロフィール

キョンスン監督は、「家」に縛られないために、名字を捨て、名前だけを名乗っている。

1999年フィルム制作会社‘レッドスノーマン’設立。『ダンディライアン』(99)『パトリオットゲーム』(01)などマイノリティの視点を大切にした作品は高い評価を受けている。『ショッキングファミリー』は3年の年月をかけて制作された。

『ショッキングファミリー』上映情報

日時:2月17日(土)
12時15分:開場 13時:映画上映 上映終了後:対談 アジアの女性たちが描く「今」~家族、社会の葛藤
場所:東京都北区男女参画センター
「スペースゆう」プラネタリウムホール
北区王子1-11-1 北とぴあ6F
申し込み:定員120名・(電話:03-3913‐0161ファクス:03-3913-9981で先着順)
主催:北区男女共同参画センター「スペースゆう」
協力:女たちの映像祭・大阪“波をつくる女たち”
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