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映画「台風太陽」 チョン・ジェウン監督(2ページ目)

たまには、家でゆっくりと映画でも……そんな日は、ネットで韓国映画はいかがですか。おススメなのが「台風太陽」。チョン・ジェウン監督への単独インタビューで映画の魅力に迫りました。

執筆者:桑畑 優香

疎外された人を描くことに惹かれる

―今の韓国の若い人たちは、どんな考えを持った世代だと感じていますか。
「スケーターたちに取材をすることで見えてきたのは『愛情を欲しがっている、関心を持ってほしいと思っている』と。年上の世代は、若い人たちを理解していないんです。スケートをする若者をみて『あいつら何をやっているんだ』と。でも、若い人たちは自分を表現したいと思っているんですね。この大都会で、自分にできることは何か、と模索している。都市はシステムが安定し、自分が変えられるものもない。そんな中でスケートを通して、自分を表現したいと願っているんです」

―「子猫をお願い」では猫が象徴的に出てきましたが、猫は韓国で「忌み嫌われているもの」であり、その猫に社会で居場所がない女の子たちの姿を重ねていましたが、「台風太陽」も社会に認めてもらえない若者たちを描いていますが、「疎外された人々」の映画を撮り続ける理由は?
「完璧な人をテーマにした映画というのは、ないんです。もし成功した人物を主人公にしたとしても、映画はいつもその人のもう一つの面を見せようとするものです。私の映画が特に疎外された人々をテーマにしている、というよりもすべての映画がさびしくて、疎外された人々を描いているのだ、と私は思います。さびしくて疎外された姿に、見る人は共感するのです」

 恋愛模様よりもスケートにかける青春そのものを描きたかった、という監督。淡々とした中にも奥深いメッセージを持ったチョン・ジェウン監督の作品は、欧米でも高い評価を受けています。次回作は、「ホラー」とか。「疎外を受け、捨てられた人々の怖さを描きたい」という監督の言葉に、ただ怖いだけでない、チョン・ジェウンワールドを期待しています。

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