韓国エンターテインメントが愛される理由や人気の作品には、それぞれの国のお国柄がはっきりと表れていました。
アメリカ 「キム・キドク作品が最大のヒット」
「子猫をお願い」はフェミニズムを描いた傑作!というアダムさん |
アメリカにおける韓国映画は、1995年の作品「301・302」配給されたのを機に、徐々に紹介されるようになりました。私自身もこの映画を観て韓国の作品にハマリ、アメリカでまだ知られざる映画の面白さを伝えたいと思ったのが、現在の仕事を始めたきっかけです。
アメリカで最大のヒットはキム・キドク監督の「春夏秋冬そして春」です。アメリカでこの映画が人気を得たポイントは、仏教をテーマにしたアジアらしさと、セリフが少ない点、そしてマーケティングの成功ではないでしょうか。字幕に慣れていないアメリカ人は、字幕が少ない作品、つまりセリフが少ない作品を好む傾向があるのです。
アメリカには多くの在米韓国人が住んでいるため、韓国映画は一定の人気を保っています。ただ、日本映画などに比べまだまだマイナーな存在であるのは事実。個人的に気に入っているのは、チョン・ジェウン監督の「子猫をお願い」や、ポン・ジュノ監督の「殺人の追憶」などです。ブロックバスター映画の登場よりも、地味ながらも良質な作品を期待しています。
中国・香港 「イ・ヨンエが爆発的な人気」
ウィニーさんの期待作はカン・ドンウォンの「デュエリスト(原題)」 |
香港では90年代後半から韓国のドラマが放送されています。「韓流」という言葉が生まれた台湾などに比べ、比較的静かなブームだったのですが、今年に入って「宮廷女官チャングムの誓い(原題:大長今)」が放送されると、大ブームに。これまであまり知られていなかった韓国の宮廷での物語や、料理のこと、そしてしっかりと作られたストーリーラインに人気が集まったのだと思います。春にイ・ヨンエが香港を訪れたときには2万人のファンが押し寄せて、大騒ぎになりました。ほかに人気があったのは、パク・チャヌク監督の映画「オールドボーイ」など。斬新な映像が魅力でした。
ペ・ヨンジュンも人気です。でも、香港にはなかなか来ないんですね。一般的に韓流スターは台湾や日本を訪れても香港にはあまりやってきません。人口が少ないからプロモーション効果が少ないと思っているのかな(笑)。残念です。
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