リアクション芸の醍醐味が盛りだくさん
最近では、ダチョウ倶楽部や稲川淳二が、番組の中で正しいリアクションの取り方をレクチャーしてくれたりするので、ようやく芸として認められつつあるようです。ただ痛がったり、怖がったりするのではなく、どのようなアクションを取ればより痛そうに見えるかとか、どの角度からがいちばんカメラに美しく収まるかとか、そこには様々な職人技が潜んでいるのです。そう考えると、この「お笑いウルトラクイズ」というバラエティは、昭和を代表する大衆文化でもある「プロレス」と、かなり似た部分を持っているのではないでしょうか。相手が仕掛けてきた技を目いっぱい受けてリアクションを取り、それをアピールすることで観客を熱狂させる。どこまでが本当で、どこからが演出か、そんなことは見ているうちにどうでも良くなってしまう点でも共通しています。
技を掛ける方も掛けられる方も変に手を抜いたりすることなく、全力でぶつかるからこそ、観客は興奮し、時には感動することさえあるのです。相手の手の内を充分知り尽くした上でのやり取りであっても、常に新鮮さがなければ飽きられてしまう点も共通していますね。
リアクション芸人の戦争勃発!?
『オレがやるよ ! それだったらオレがやるよ ! じゃあオレがやるよ ! どうぞ ! どうぞ ! どうぞ !~ダチョウ倶楽部のリアクション祭り~』 |
もちろん、芸人のリアクション以外にも「飛び道具」が装備されているのが『お笑いウルトラクイズ!!』の魅力です。中でも他のバラエティでは滅多に見られないのが、現場の雰囲気から著しく浮いている、怪しげな「文化人」たちでしょう。
過去のシリーズでは、宅八郎、戸塚宏、ドクター中松、大林雅美といった強烈な個性の持ち主が登場し、独特な空気を漂わせていました。果たして今回は、どんな個性的な文化人が登場するのか。ぜひこの部分は今後も引き継いでほしいものです。
というわけで、見所満載の『お笑いウルトラクイズ!!』ですが、今回ばかりは、メイン司会のビートたけし自体が最大の見所であることは間違いありません。10年ぶりに大勢の芸人達を率いて、どんな大暴れを見せてくれるのか。おそらく日本中が注目しているハズです。
以上のことを踏まえたうえで、いざ番組が始まったら、頭の中をからっぽにして、無心になって、ただひたすら大笑いするのが、お正月特番『お笑いウルトラクイズ!!』のもっとも正しい鑑賞法なのです!!