隠れた名曲に隠された真実
川口浩探検隊は、アマゾンでの底なし沼によく落ちたものです |
こうしたコミックソングに限らず、タイトルや歌詞に固有名詞が入っている場合、前もって何らかの許可をもらった上でリリースするのが現在の常識です。しかし、20年以上前にリリースされたこの曲、実は川口浩本人の許可を取らずに発表したようです。
というのも、リリースから数日後に、偶然、大阪の生ワイドショーに出演した川口浩のもとへ、嘉門達夫が突然乱入(もちろんスタッフの許可は取った上で)。レコードに名前を使わせてもらったことの許可を願い出たのでした。生放送ということもあって、むげに断ることもできず、川口浩は苦笑まじりにOKを出したのでした。著作権や肖像権が発達した今だったら、とても考えられない一件ですが、まだまだ世の中がのんびりしていたという好例かもしれません。
人気絶頂の中、ガンに侵された隊長
ガンの病魔に侵され倒れた川口隊長(右)。少年達は無事生還を祈ったのですが…… |
この人気シリーズが86年に終止符を打ったのは、視聴率の低下や企画のマンネリなどではなく、隊長である川口浩がガンに侵されたことが原因です。妻・野添ひとみをはじめ家族の献身的な看護を受けて、療養に専念したものの、翌87年11月に食道ガンでこの世を去りました。享年51という若さでした。
その遺志を継いだ、藤岡弘、二代目隊長の活躍は皆さんご存知の通り。前シリーズを忠実なまでに踏襲し、21世紀の番組とは思えない昭和の輝きを、ブラウン管から発していました。
そう。たとえ液晶テレビであっても、プラズマテレビであっても、探検隊が未知の洞窟へと潜入するしている時には、テレビは皆ブラウン管になり、リビングもお茶の間へと変貌するのです。探検隊の活躍を見て、素直にハラハラ、ドキドキできなくなった私達は、ひょっとして、何か大事なものを昭和の時代に忘れてきたのかもしれません。
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