宝塚歌劇団で初めて上演された海外ミュージカルは「オクラホマ!」。
オスカー・ハマースタイン?世/脚本、リチャードロジャース/作曲によって作られた「オクラホマ!」は、1943年ブロードウェイで初演、1955年には映画化されました。
オスカー・ハマースタイン?世とリチャード・ロジャースは、後に「回転木馬」「南太平洋」「王様と私」「サウンド・オブ・ミュージック」などのヒット作を作りますが、この「オクラホマ!」は、二人にとって初顔合わせの作品でした。
1967年「オクラホマ!」は月組・星組合同で上演されました。
演出は米国から招いたジェムジー・デ・ラップ女史。
復刻版とも言われるほど、ブロードウェイ初演時の原型そのままに上演されました。
配役はオーディションによって決められ、主な配役は、カーリー・上月晃、ローリー・初風諄。
後1984年の再演時の振付を行った司このみや、現在も座付きの振付家である羽山紀代美も、この初演に出演していました。
宝塚で初めてブロードウェイ・ミュージカルをすること、またアメリカ中西部の農場が舞台のストーリーなため「宝塚に不向きなのでは?」「フィナーレがなくてはつまらない」という声もありました。
しかし新しい試みは大成功。その後の宝塚歌劇を大きく開花させることになったのです。
翌年1968年に「ウエストサイド物語」を上演します。
「ロミオとジュリエット」の現代版と言われたこの作品は1957年ブロードウェイで初演、1961年映画化。
宝塚での演出はジェローム・ロビンスと直弟子のサミー・ベイスで、月組・雪組合同で上演されました。
主な配役は、トニー・古城都、マリア・八汐路まり。他、オーディションで多くの新人を発掘しました。
男性ダンサーでさえ過酷な激しいナンバー(例えば…金網を一気に駆け下りるなど)のある作品。宝塚での上演に不安の声もありましたが、生徒の熱演と宝塚のアンサンブルの強さを見事打ち出し、芸術祭賞を受賞しました。
1969年には「回転木馬」をエドワード・ロール演出にて雪組で上演。
前2作とは違いファンタジー色の強いこの作品は、宝塚に向いているという点で上演前からも期待されました。
主な配役は、ビリー・真帆しぶき、ジュリー・大原ますみ。
1974年には「ブリガドーン」を星組にて上演。
これは初めて宝塚歌劇団スタッフで作られた作品で、演出は鴨川清作、振付には司このみ。
主な配役は、トミー・鳳蘭、フィオナ・四季乃花恵・紫城いずみ(Wキャスト)。
さて次のページでは、これまでに上演された作品のリストをご紹介しましょう。